アヤメ(あやめ)の花言葉|色別の意味と由来、怖いと言われる黄色の「復讐」を資料10本で確かめる

アヤメ(あやめ)の花言葉|色別の意味と由来、怖いと言われる黄色の「復讐」を資料10本で確かめる

アヤメ(文目・綾目)は、5月ごろに紫や白の花を咲かせるアヤメ科アヤメ属の多年草です。学名は Iris sanguinea で、日本では北海道から九州まで、日当たりのよい乾いた草地に生えます。【実測】花しるべが2026年10月26日に資料10本を照合したところ、花言葉は「よい便り」と「希望」が9本、「あなたを大切にします」が8本に載っていました。

この記事でわかること

  • 資料10本で数えた花言葉: 「よい便り」「希望」が9本、「あなたを大切にします」が8本、「メッセージ」が5本。「メッセージ」は1851年と1884年の英語の花言葉の本にも Message として載っています。
  • 色別の語と怖い意味: 紫・白・青・黄色の語を表で並べます。黄色の「復讐」は6本が載せますが、アヤメそのものには黄色い花がないことも辞書と百科で確かめました。
  • アイリス・菖蒲・カキツバタとの違い: アイリスとジャーマンアイリスの語、「菖蒲」の字が指す3つの植物、花びらの模様での見分け方、資料で割れる誕生花の日付をまとめます。

ほかの花の語と資料の厚みは、花の名前から花言葉を探す一覧で比べられます。

目次

アヤメ(あやめ)の花言葉は「よい便り」「希望」

資料10本のうち9本が「よい便り」と「希望」を載せ、「あなたを大切にします」も8本にあります。

【実測】花しるべは、2026年10月26日に「あやめの花言葉」でGoogle検索して返ったWebページを順位順に10本選び、本文を読んで語ごとに載っている本数を数えました。全般・色別のどこに載せていても1本と数えています。「良い便り」は「よい便り」に、「あなたを大事にします」「あなたを大切にしています」は「あなたを大切にします」にまとめました。資料の番号は後半の一覧の番号です。

花言葉 載っている本数(10本中) 載せている資料の番号
よい便り 9本 1・2・3・4・6・7・8・9・10
希望 9本 1・2・3・4・5・7・8・9・10
あなたを大切にします 8本 1・3・4・5・7・8・9・10
メッセージ 5本 2・5・6・9・10
吉報 2本 5・7
知恵 2本 1・10(どちらも紫の語)
信じる者の幸福 2本 3(黄色の語)・10
優雅 1本 5

資料5は「よい便り」の代わりに「吉報」と書き、資料10は「朗報」も加えています。このほか、1本だけが載せる語に、資料1の「愛」「神秘的」「信じるものは救われる」があります。

希望を表す語を持つほかの花は、希望の花言葉の一覧で並べて見られます。

「メッセージ」は1851年と1884年の英語の本にもある

1851年のデュモンの本と1884年のグリーナウェイの本は、どちらも Iris に Message を当てています。

【公式仕様】ヘンリエッタ・デュモンの『The Language of Flowers』(1851年)は、花と意味を並べた一覧の Iris の行に「Message.」と書いています。ケイト・グリーナウェイの『Language of Flowers』(1884年)も、Iris の行に「Message.」と書き、巻末の索引でも Message の行に Iris を挙げています。Message は伝言・便りという意味で、日本語の資料が載せる「メッセージ」「よい便り」と意味が重なります。

グリーナウェイの本は、Iris とは別に「Iris, German」(ジャーマンアイリス)の行を立てて Flame(炎)を当て、Fleur-de-Lis の行には「Flame. I burn.」と書いています。資料9が黄色に当てる「私は燃えている」は、この I burn と語が重なります。ただし、日本語の語がこれらの本から訳されたと示す資料は、10本のどれにも見つかっていません。

確かめ方:19世紀の花言葉の本は全文を検索できます

Project Gutenberg は、著作権の切れた本をテキストで公開しているサイトです。グリーナウェイの本は電子書籍番号31591、デュモンの本は71779です。

テキスト版を開いて「Iris」で検索すると、本文の該当行に当たります。花しるべが本数に数えた日本語の資料10本とは別に、原典にさかのぼるための確かめ方です。

「あなたを大切にします」は白い花に当てる語

「あなたを大切にします」を載せる8本のうち7本は、白いアヤメの語としてこれを挙げています。

【実測】白に当てているのは資料1・3・4・5・7・9・10の7本です。資料8だけは色を分けずに、アヤメ全体の語の1つとして「あなたを大切にします」を挙げていました。資料1・3・4・9は、白の語を「あなたを大事にします」と書いています。言い回しは少しずつ違いますが、相手を大事に思う気持ちを表す語として、花しるべは1つにまとめて数えました。ほかの意味の語は意味から花言葉を探す一覧から入れます。

花言葉の由来|虹の女神イリスと神々の使い

資料10本のうち7本が、ギリシャ神話の虹の女神イリスが神々の使者だったことから語を説明しています。

【実測】資料2・3・5・6・7・9・10の7本は、「よい便り」や「メッセージ」を、虹の女神イリスが神々の言葉を伝える使者だったという話に結びつけています。資料7だけは、ゼウスの求愛に困っていた侍女イリスに、ゼウスの妻ヘラが神の酒を振りかけて虹の女神に変え、そのときこぼれた酒からアヤメが咲いた、という話を挙げています。

資料が挙げる由来の説明と本数

虹の女神イリス 資料2・3・5・6・7・9・10の7本。神々の使者という役目から「よい便り」「メッセージ」を説明します。

ヘラの神の酒 資料7の1本。侍女イリスにかけた酒のしずくがアヤメになった、という話です。

青=恵みの雨 資料3・4・10の3本。青い花が咲くころが田植えの時期で、恵みの雨に重なるという説明です。

黄色=ユダの衣 資料1・4・5の3本。キリストを裏切ったユダの衣の色が黄色だったとして、「復讐」を説明します。

学名の Iris はギリシャ語で「虹」

英語版Wikipediaは、属名 Iris がギリシャ語の îris(虹)から来ていて、虹の女神の名でもあると書いています。

【公式仕様】英語版Wikipedia「Iris (plant)」は、属名がギリシャ語の ἶρις(îris)=虹から付けられ、それはギリシャ神話の虹の女神イリスの名でもあると書き、花の色の幅が広いことを指した名前だとする書き手もいると紹介しています。英語版Wikipedia「Iris (mythology)」によると、イリスは虹を人の姿にした女神で、オリュンポスの神々、とくにヘラの使者として働きました。

アヤメの学名 Iris sanguinea の Iris はこの属名で、植物の名と女神の名が同じ言葉です。

由来の原典を挙げる資料は0本

由来を説明する資料は7本ありましたが、その話がどの本に書かれているかを示す資料は1本もありませんでした。

【実測】資料10本の本文に、ギリシャ神話の原典や、花言葉を最初に載せた本の書名は1件も出てきませんでした。ヘラの神の酒の話も、ユダの衣の話も、出どころを示していません。英語の本2冊も、Iris に Message を当てているだけで、その理由は書いていません。花しるべは、由来を事実として言い切らず、「資料7本がこう説明する」と書くところまでにします。

アヤメの花言葉は怖い?黄色の「復讐」

怖いとされるのは黄色に当てる「復讐」で6本が載せますが、アヤメ全体の語に怖い意味の語はありません。

【実測】黄色に「復讐」を当てるのは資料1・3・4・5・7・10の6本です。資料3は「復習」と表記していますが、同じ並びの語なので「復讐」として数えました。資料3と資料10は「消失」「音信」を、資料5と資料7は「消息」を、同じ黄色の怖い語として並べています。アヤメ全体の語として「死」や「呪い」を載せる資料はありませんでした。

資料3は題に「色によっては怖い意味にもなるので注意」と付け、怖い意味を黄色だけに限って書いています。怖い意味を持つとされるほかの花は怖い花言葉の一覧にまとめています。

アヤメに黄色の花はない|黄色はキショウブなど別種

辞書と百科が書くアヤメの花の色は紫と白で、まれに藤桃色があるだけで、黄色い花は出てきません。

【公式仕様】コトバンク「アヤメ」に収録された改訂新版 世界大百科事典は、アヤメには白花、通称三寸アヤメと呼ばれる背の低い白花、紫花が見られ、まれに筋入りや藤桃色もあると書いています。英語版Wikipedia「Iris sanguinea」も、花の色は青から青紫・赤紫までの紫の幅で、白はまれだとしています。どちらにも黄色の花は出てきません。

アヤメの外側の花びらの付け根には黄色の地に紫の模様がありますが、これは模様で、花の色ではありません。資料9は黄色の語を書いたうえで、一般的なアヤメには黄色の花はなく、同じアヤメ属の別種に見られる色だと注記していました。資料7本が載せる黄色の語は、アヤメ属の黄色い花に当てた語として読むのが合っています。

黄色い花を咲かせるアヤメ属の植物(辞書と百科から)

キショウブ(Iris pseudacorus) 西アジアからヨーロッパの原産で、明治のころ(1890年代)から栽培され、日本全国の水辺で野生化しました。環境省が「生態系被害防止外来種」の重点対策外来種に指定しています。

キハナショウブ Wikipedia日本語版によると、ハナショウブとキショウブを交配して作られた系統です。

ジャーマンアイリス 英語版Wikipediaによると、黒から白・赤まで、ほぼすべての色の品種があります。

【公式仕様】Wikipedia日本語版「キショウブ」によると、キショウブは在来の植物に被害を及ぼすおそれがあるとして指定されています。花しるべは、黄色い花を楽しむためにキショウブを植えることは勧めません。黄色い花のほかの語は黄色い花の花言葉の一覧で探せます。

色別の花言葉|紫・白・青・黄色

色ごとに最も多くの資料が当てる語は、紫が「よい便り」、白が「あなたを大切にします」、青が「信念」などです。

【実測】資料10本のうち、色ごとに語を当てているのは資料1・3・4・5・7・9・10の7本でした。紫・白・黄色は7本、青は5本が語を載せています。ピンク・黒・赤に語を当てる資料はなく、資料10はピンクと黒について、花言葉はまだないようだと書いています。

色 花言葉と載せる本数 載せている資料の番号
紫 よい便り 6本/知恵 2本 よい便り=1・3・4・7・9・10/知恵=1・10
白 あなたを大切にします 7本/純粋 5本/優しさ 5本/神秘的 5本 あなたを大切にします=1・3・4・5・7・9・10/純粋=1・3・4・5・9(10は「純真」)/優しさ・神秘的=1・3・4・5・10
青 信念・強い希望・大きな志 各5本 1・3・4・5・10
黄色 復讐 6本/友情 5本/幸せ 4本/消息 2本/消失・音信 2本/感謝 2本/私は燃えている 1本 復讐=1・3・4・5・7・10/友情=1・3・4・5・10/幸せ=1・7・9・10/消息=5・7/消失・音信=3・10/感謝=1・10/私は燃えている=9
ピンク・黒・赤 0本 資料10は、ピンクと黒の花言葉はまだないようだと書く

黄色の行は、資料が「黄色のアヤメ」として載せる語をそのまま数えたものです。前の節のとおり、アヤメそのものに黄色い花はありません。同じ色の花を花言葉から探すときは、色から花言葉を探す一覧から入れます。

紫のアヤメの花言葉は「よい便り」「知恵」

紫は7本が語を載せ、そのうち6本が「よい便り」を当て、資料1と資料10は「知恵」も加えています。

【実測】資料5だけは紫に「よい便り」を使わず、「吉報」「メッセージ」「希望」「優雅」を並べていました。改訂新版 世界大百科事典はアヤメを紫色の風情のある花と書き、Wikipedia日本語版は5月ごろに紺色の花を付けると書いています。資料10は、明るい赤みがかった紫を昔の日本では「アヤメ色」と呼んだと紹介しています。紫の花を持つほかの花は紫の花の花言葉の一覧にあります。

白いアヤメの花言葉は「あなたを大切にします」

白は7本が「あなたを大切にします」を当て、5本が「純粋」「優しさ」「神秘的」などを加えています。

【実測】資料9は白を「純粋」「あなたを大事にします」の2語にし、清らかな白い花びらから付いた語だと説明しています。資料1・3・4・5は、「純粋」「優しさ」「神秘的」まで白に並べていました。【公式仕様】日本大百科全書は、白花の品種をシロアヤメと呼び、世界大百科事典は、背の低い白花を通称三寸アヤメと書いています。白い花のほかの語は白い花の花言葉の一覧で比べられます。

青いアヤメの花言葉は「信念」「強い希望」

青は資料1・3・4・5・10の5本が、「信念」「強い希望」「大きな志」の3語をそろって載せています。

【実測】青の3語は、5本とも同じ組み合わせでした。資料3・4・10は、青いアヤメが咲く時期が田植えのころに当たり、恵みの雨を待つ気持ちと結びついた、と説明しています。検索の質問欄にも「青いアヤメ」が出ますが、辞書と百科はアヤメの色を紫の幅で書いていて、青と紫を分けてはいません。青い花のほかの語は青い花の花言葉の一覧にあります。

黄色に当てる語は「友情」と「復讐」

黄色は7本が語を当て、「復讐」が6本、「友情」が5本、「幸せ」が4本と、前向きな語と怖い語が並びます。

【実測】資料1・7・9・10は「幸せ」を、資料3・7は「幸せを掴む」を黄色に当てています。資料1と資料10は「感謝」も加えていました。前向きな語と怖い語を同じ色に並べる書き方は、7本のうち6本に共通しています。資料9は、黄色い花がアヤメ属の別種の色だと断ったうえで語を載せていました。

アイリスの花言葉|アイリスはアヤメ属の名前

アイリスはアヤメ属の学名・英名で、資料2はアヤメとアイリスを同じ項目にして同じ語を載せています。

【実測】資料2は、見出しを「アヤメ(アイリス)全般の花言葉」とし、「よい便り」「メッセージ」を挙げています。英語の花言葉として message(伝言、メッセージ)を挙げているのも資料2です。資料10本の中に、アヤメとアイリスで別の語を当てる資料はありませんでした。

【公式仕様】コトバンク「アヤメ」の日本大百科全書によると、日本にはアヤメのほか、エヒメアヤメ、ヒメシャガ、シャガ、ヒオウギアヤメ、カキツバタ、ノハナショウブ、ヒオウギの計8種のアヤメ属が自生します。イチハツ、ハナショウブ、ジャーマン・アイリス、ダッチ・アイリスなどの園芸種も多く、アイリスという呼び名はこれらをまとめて指すときにも使われます。花しるべの誕生花のページでは、3月18日の誕生花をアイリスとしています。

ダッチアイリスは1891年に始まった園芸種

ダッチアイリスは別名オランダアヤメで、1891年に始まった交配から作られた園芸種です。

【公式仕様】Wikipedia日本語版「ダッチアイリス」によると、学名は Iris × hollandica です。スパニッシュアイリス(Iris xiphium)に、ティンギタナ種(Iris tingitana)やボッシエリ種などを掛け合わせて作られ、その交配は1891年に始まりました。アヤメ(Iris sanguinea)とは別の植物です。資料10本に、ダッチアイリスだけに当てる花言葉を載せるものはありませんでした。

ジャーマンアイリスの花言葉と色

ジャーマンアイリスには資料2と10が「燃える思い」「情熱」、資料7と10が「使者」「恋のメッセージ」を当てています。

【公式仕様】1884年のグリーナウェイの本は、Iris とは別に「Iris, German」の行を立て、Flame(炎)を当てています。日本語の資料の「燃える思い」「情熱」と意味が重なる語です。Wikipedia日本語版「ジャーマンアイリス」によると、ジャーマンアイリス(ドイツアヤメ)はアヤメ属の植物を交雑して作られたもので、野生のものはなく、1800年代の初期にドイツとフランスで品種改良されました。

【実測】資料7は、6月29日をジャーマンアイリスの誕生花として挙げています。花しるべの誕生花のページでも、6月29日の誕生花をジャーマンアイリスとしています。アヤメ(Iris sanguinea)とジャーマンアイリスは同じアヤメ属ですが、別の植物です。

紫のジャーマンアイリスと色の幅

ジャーマンアイリスは黒から白・赤まで、ほぼすべての色の園芸品種が数百あり、紫だけに当てる語は資料にありません。

【公式仕様】英語版Wikipedia「Iris germanica」によると、草丈は120cmまでになり、園芸品種(cultivar)は数百あって、黒に近い色から白、赤まで、ほぼすべての色がそろいます(同じ記事の品種の節は、約6万品種あると考えられているとも書いています)。秋に返り咲く品種もあると書いています。【実測】「ジャーマンアイリス 紫」で調べる人もいますが、資料10本に紫のジャーマンアイリスだけに当てる語はありませんでした。

菖蒲の花言葉|「菖蒲」の字が指す3つの植物

「菖蒲」の字はアヤメ、ハナショウブ、サトイモ科のショウブの3つに当てられ、どれを指すかで語が変わります。

【公式仕様】Wikipedia日本語版「アヤメ」は、アヤメの漢字表記に「菖蒲」「文目」「綾目」「渓蓀」を挙げています。ハナショウブは「花菖蒲」と書き、ショウブは「菖蒲」と書きます。コトバンク「ショウブ」の改訂新版 世界大百科事典は、ショウブはハナショウブやアヤメとはまったく別種で、古くは〈あやめ〉〈あやめぐさ〉と呼ばれ、菖蒲の字を当て、のちに〈しょうぶ〉と呼ばれるようになったと書いています。

読み 植物と学名 科 資料に載る花言葉
あやめ アヤメ(Iris sanguinea) アヤメ科 よい便り・希望・あなたを大切にします(この記事の表)
はなしょうぶ ハナショウブ(Iris ensata) アヤメ科 うれしい知らせ・優雅(資料2・7)
しょうぶ ショウブ(Acorus calamus) サトイモ科(APG分類ではショウブ科) 心意気・忍耐・熱心(資料10)

アヤメとハナショウブは同じアヤメ属で、ショウブだけが科から違う植物です。

ハナショウブの花言葉は「うれしい知らせ」「優雅」

ハナショウブには資料2と資料7が「うれしい知らせ」「優雅」を当て、資料2は「優しい心」も加えています。

【実測】資料7は、ハナショウブに「よい便り」「あなたを信じる」も並べています。【公式仕様】コトバンク「ハナショウブ」の日本大百科全書によると、ハナショウブ(Iris ensata)は野生のノハナショウブを改良した園芸種で、葉の中央の脈が盛り上がって稜になります。開花は暖地で5月、北海道では8月にずれ込みます。Wikipedia日本語版は、江戸系・伊勢系・肥後系・長井古種の系統を挙げています。

日本大百科全書は、アヤメ園やアヤメ祭りと呼ばれるものは、どれもハナショウブを材料にしていて、誤解のもとになっていると書いています。Wikipedia日本語版も、水郷潮来あやめ園などに植えられているのはハナショウブだとしています。

端午の節句の菖蒲湯はサトイモ科のショウブ

端午の節句に湯に入れる菖蒲はサトイモ科のショウブで、アヤメやハナショウブとは別の植物です。

【公式仕様】Wikipedia日本語版「ショウブ」によると、ショウブは茎や葉の全体に香りがあり、端午の節句にショウブ湯として使われてきました。「しょうぶ」の音が通じることから「尚武」の字も当てられます。日本大百科全書は、平安時代の文学から芭蕉に至るまで、アヤメ、アヤメ草と書かれているのはショウブのことだと書いています。

資料2・5・7は5月5日をアヤメの誕生花に挙げていますが、その日の菖蒲湯に入れるのはアヤメではなくショウブです。同じ字を当てるために重なって見えますが、湯に入れる葉はアヤメ科の植物ではありません。

アヤメ・カキツバタ・ハナショウブの見分け方

外側の花びらの付け根が網目模様ならアヤメ、白い筋ならカキツバタ、黄色い斑紋ならハナショウブです。

【公式仕様】Wikipedia日本語版「アヤメ」は、堀切菖蒲園にある見分け方の掲示(2005年6月現在)を載せ、出典に潮来市の「あやめの見分け方」を挙げています。掲示では、アヤメは外側の花びらに網目模様があり、カキツバタは網目模様がなく白い斑紋があり、ハナショウブは網目模様がなく黄色い斑紋がある、としています。世界大百科事典も、カキツバタは外花被片の中央に1本の白線が目立ち、アヤメは網目模様、ノハナショウブは黄色の線で区別できると書いています。

見るところ アヤメ カキツバタ ハナショウブ
花びらの付け根 網目模様 白い斑紋(白い線が1本) 黄色い斑紋
生える場所 乾いた日当たりのよい草地 低地の湿地や水辺 園芸種。野生のノハナショウブは高地の湿原
葉 幅1cm以下 幅1〜3cm 中央の脈が盛り上がる
花の時期 5月 5〜6月 暖地5月〜北海道8月
学名 Iris sanguinea Iris laevigata Iris ensata

外側の花びら(外花被片)の付け根の見え方

アヤメ 黄色の地に、紫の線が網の目のように走ります。日本大百科全書は、この綾目模様を名のおこりとする説があると書いています。

カキツバタ 網目はなく、花びらの中央に白い線が1本、細長く入ります。

ハナショウブ 網目はなく、付け根に黄色い斑紋があります。日本大百科全書は、野生のノハナショウブでは外花被の付け根の黄色い部分に脈がないと書いています。

「いずれアヤメかカキツバタ」の意味と由来

どれもすぐれていて優劣をつけにくいこと、また見分けにくいことのたとえで、由来は資料で2つに分かれます。

【公式仕様】コトバンク「いずれ菖蒲か杜若」のことわざを知る辞典は、どちらも同じようで区別がつけにくいこと、また、どちらもすぐれていて1つを選ぶのに迷うことのたとえとしています。由来について、日本大百科全書は『太平記』の源三位頼政の故事を挙げ、宮中で大ぜいの女官の中から伴侶を選ぶ際に困り果てて詠んだ歌「五月雨に沢辺のまこも水たえていづれあやめと引きぞわづらふ」にちなむと書いています。

【実測】資料7は、このことわざの由来を『源平盛衰記』に出てくる源頼政と菖蒲前の恋物語として書いています。日本大百科全書は『太平記』、資料7は『源平盛衰記』と、挙げる書名が食い違っていて、花しるべは両方をそのまま並べます。

カキツバタの花言葉は「幸せは必ずくる」

カキツバタには資料2と資料7が「幸せは必ずくる」を当て、資料7は「幸せはあなたのもの」も加えています。

【実測】資料10は、カキツバタの「幸福が来る」という語を、ツバメの言い伝えから説明しています。【公式仕様】コトバンク「カキツバタ」の改訂新版 世界大百科事典によると、カキツバタ(Iris laevigata)はアヤメ属の中で最も水を好み、5月に青紫、まれに白い花を咲かせます。日本ではアヤメ属の中で最も古くから親しまれ、『万葉集』にも詠まれました。花で衣を染めたことから、「カキツケバナ」が語源だといいます。

アヤメの季節と名前の由来

アヤメの花期は5月で、名前は葉が並ぶ「文目」か、花びらの「綾目」模様から来たという2つの説があります。

【公式仕様】世界大百科事典とWikipedia日本語版は、アヤメの花期を5月(ごろ)とし、日本大百科全書は5〜7月としています。茎は高さ30〜60cmで、花は直径約8cm、1本の茎にふつう2つの花を付けます。同じ5月に咲く花では、シャクヤクの花言葉と、母の日のカーネーションの花言葉も資料を照合しています。

アヤメの名の2つの説(辞書と百科から)

文目(あやめ)説 葉が2列に並んで立つ姿を、文目(模様)に見立てたという説です。世界大百科事典と日本大百科全書が挙げています。

綾目(あやめ)説 外側の花びらの付け根にある、綾になった網目の模様から名付けたという説です。世界大百科事典が挙げ、日本大百科全書も「説がある」と書いています。

日本大百科全書によると、『万葉集』にアヤメ草の名で詠まれた12首の多くはホトトギスと組み合わされていて、ホトトギスが胸の縞模様から「文目鳥」とも呼ばれたことと関わっています。ただし、平安文学から芭蕉までのアヤメはサトイモ科のショウブのことで、元禄時代(1688〜1704年)に花アヤメと呼ばれていた名がアヤメ科のアヤメを指すようになり、その後「花」がとれたといいます。

アヤメは何月何日の誕生花か

日付を書く資料3本は、4月17日・5月5日・5月10日・6月6日を、そろってアヤメの誕生花に挙げています。

【実測】資料10本のうち、誕生花の日付を書いているのは資料2・5・7の3本でした。資料5はアヤメとして、資料7はジャーマンアイリスとして6月29日を挙げていて、同じ日付でも当てる植物が違います。5月23日を挙げるのは資料7だけでした。

日付 その日付を書く資料(3本中) 資料の番号
4月17日 3本 2・5・7
5月5日 3本 2・5・7
5月10日 3本 2・5・7
6月6日 3本 2・5・7
6月29日 2本 5(アヤメとして)・7(ジャーマンアイリスとして)
5月23日 1本 7

【実測】花しるべの誕生花のページでは、5月18日の誕生花をアヤメ、3月18日をアイリス、6月29日をジャーマンアイリスとしています。どの日付が正しいという決まりはないため、花しるべは資料ごとに割れていることをそのまま表に出しています。日付から花を探すときは誕生花の一覧から入れます。

アヤメを贈るときの色の選び方

紫は「よい便り」、白は「あなたを大切にします」と前向きな語がそろい、黄色は「友情」と「復讐」が並びます。

【実測】紫と白に当てる語に、怖い意味の語は10本のどれにもありませんでした。黄色は「友情」「幸せ」と「復讐」が同じ色に並ぶため、語を添えて贈るなら、どの語を伝えたいかを先に決めると迷いません。資料3は、黄色には怖い花言葉もついているので、黄色だけを贈るのではなく、いろいろな色のアヤメを合わせるよう書いています。

黄色い花を選ぶ場合、それはアヤメではなく、ジャーマンアイリスなど別のアヤメ属の花になります。紫と白の花を合わせれば、「よい便り」と「あなたを大切にします」の両方を1つの花で伝えられます。

照合した資料10本と、この記事の調べ方

検索で返った上位の記事10本を資料にして語ごとの本数を数え、植物の事実は辞書と百科で確かめました。

選び方は、2026年10月26日に「あやめの花言葉」でGoogle検索した1〜2ページ目から、Instagram投稿(1ページ目9位)とX投稿(2ページ目5位)を除き、本文を読めたWebページを順位順に10本とったものです。すべてWebの資料で、書籍は含みません。

番号 検索順位 資料(2026年10月26日に照合)
資料1 1位 FLOWR flowr.is
資料2 2位 花言葉-由来 hananokotoba.com
資料3 3位 GreenSnap greensnap.co.jp
資料4 4位 ハナ hana.hn
資料5 5位 HanaPrime hanaprime.jp
資料6 6位 LOVEGREEN lovegreen.net
資料7 7位 マイナビ子育て kosodate.mynavi.jp
資料8 8位 株式会社サンケイ sankei-r.co.jp
資料9 11位 となりのカインズさん magazine.cainz.com
資料10 13位 庭革命 zoen-uekiya.com

10本の本文に、花言葉の原典の書名は1件も出てきませんでした。だから花しるべは、英語の花言葉の本2冊を全文で検索し、植物の事実は日本大百科全書・世界大百科事典などの辞書と百科、Wikipediaの日本語版と英語版で確かめました(参考情報に一覧)。

アヤメのよくある質問

Q. アヤメの花言葉は何ですか。

A. 資料10本のうち9本が「よい便り」と「希望」を、8本が「あなたを大切にします」を載せています。「メッセージ」は5本ですが、1851年と1884年の英語の花言葉の本は、どちらも Iris に Message だけを当てていて、19世紀の英語の本で確かめられるのはこの1語です。デュモンの本の同じ一覧では、すぐ隣の Ivy(ツタ)が Friendship(友情)でした。

Q. アヤメの花言葉に怖い意味はありますか。

A. アヤメ全体の語に怖い意味のものはなく、怖いとされるのは黄色に当てる「復讐」です。ただしアヤメそのものに黄色い花はありません。花言葉とは別に、Wikipedia日本語版はアヤメの毒性の項で、部位に全草・根茎・樹液を、成分にイリジンなどを、症状に皮膚炎・嘔吐・下痢などを挙げています。

Q. アヤメとアイリスは同じ花ですか。

A. アイリスはアヤメ属の学名・英名で、アヤメはその中の1種です。世界大百科事典によると、アヤメ属は北半球の温帯に約200種が広く分布し、多くが観賞用に栽培されています。花言葉の資料10本は、アヤメとアイリスに同じ語を当てていました。

Q. 菖蒲湯の菖蒲はアヤメですか。

A. 違います。菖蒲湯に使うのはサトイモ科のショウブで、古くは〈あやめぐさ〉と呼ばれていました。Wikipedia日本語版によると、日本では奈良時代の聖武天皇のころから、端午の節句にショウブが使われ始めました。

Q. アヤメはどこの国の花ですか。どこに咲きますか。

A. Wikipedia日本語版によると、日本では北海道から九州まで、海外では朝鮮半島、中国東北部、シベリア東部に分布します。乾いた草地を好み、ノハナショウブやカキツバタのように湿地に生えることはまれです。北海道厚岸町の「あやめヶ原」に自生しているのは、近い仲間のヒオウギアヤメだといいます。

Q. カキツバタの花言葉と、ゆかりの土地を教えてください。

A. 資料2と資料7が「幸せは必ずくる」を載せています。Wikipedia日本語版によると、カキツバタは愛知県の県花で、『伊勢物語』で在原業平がカキツバタを詠んだ三河国八橋(いまの知立市八橋町)にちなみます。

まとめ

アヤメの花言葉は「よい便り」と「希望」が9本にあり、黄色の語だけはアヤメにない色に当てた語でした。

花しるべの考え:アヤメは「よい便りと意味の重なる語が19世紀の英語の本にもあり、怖い語は咲かない色に付いている花」

1つ目の段 花言葉は「よい便り」「希望」が9本、「あなたを大切にします」が8本。「メッセージ」は1851年と1884年の英語の本の Message と重なります。

2つ目の段 紫は「よい便り」、白は「あなたを大切にします」、青は「信念」でよくそろいます。黄色の「復讐」は6本が載せますが、辞書と百科はアヤメの花に黄色を挙げていません。

3つ目の段 「菖蒲」の字はアヤメ・ハナショウブ・ショウブの3つに当たり、菖蒲湯はショウブです。由来の神話、ことわざの出典、誕生花の日付は資料で割れるため、花しるべは確かめられた範囲を書きます。

ほかの花の語と資料の厚みを比べるなら花言葉一覧(花の名前から探す)から入れます。意味・色・誕生日から探すときは、本文中の各一覧から入れます。

参考情報

  • FLOWR「アヤメの花言葉をご紹介!色ごとの花言葉も解説します!」 https://flowr.is/articles/210
  • 花言葉-由来「アヤメの花言葉(アイリス、カキツバタ、ハナショウブ)」 https://hananokotoba.com/iris/
  • GreenSnap「あやめの花言葉|色によっては怖い意味にもなるので注意」 https://greensnap.co.jp/columns/irissanguinea_language
  • ハナ「アヤメの日持ちや色別の花言葉」 https://www.hana.hn/usefulinfo/detail/76
  • HanaPrime「アヤメの花言葉|名前の由来」 https://hanaprime.jp/language-flower/iris/
  • LOVEGREEN「アヤメの花言葉|花の特徴、名前や花言葉の由来、種類」 https://lovegreen.net/languageofflower/p263554/
  • マイナビ子育て「アヤメの花言葉|アヤメの概要や特徴、花言葉、名前の由来を解説」 https://kosodate.mynavi.jp/articles/17969
  • 株式会社サンケイ「アヤメってどんな花?季節を彩る紫色の花・その花言葉とは」 https://www.sankei-r.co.jp/special/blog489.php
  • となりのカインズさん「アヤメの育て方|花言葉は? 花菖蒲やカキツバタとの違いも解説」 https://magazine.cainz.com/article/138197
  • 庭革命「アヤメの花言葉は?怖い意味や、赤・青・黄色などの色別の花言葉も解説!」 https://zoen-uekiya.com/column/gardening/ayame-hanakotoba
  • コトバンク「アヤメ」(日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典) https://kotobank.jp/word/アヤメ
  • コトバンク「ハナショウブ」(日本大百科全書) https://kotobank.jp/word/ハナショウブ
  • コトバンク「カキツバタ」(改訂新版 世界大百科事典) https://kotobank.jp/word/カキツバタ
  • コトバンク「ショウブ」(改訂新版 世界大百科事典) https://kotobank.jp/word/ショウブ
  • コトバンク「いずれ菖蒲か杜若」(ことわざを知る辞典) https://kotobank.jp/word/いずれ菖蒲か杜若
  • Wikipedia日本語版「アヤメ」 https://ja.wikipedia.org/wiki/アヤメ
  • Wikipedia日本語版「ハナショウブ」 https://ja.wikipedia.org/wiki/ハナショウブ
  • Wikipedia日本語版「カキツバタ」 https://ja.wikipedia.org/wiki/カキツバタ
  • Wikipedia日本語版「ショウブ」 https://ja.wikipedia.org/wiki/ショウブ
  • Wikipedia日本語版「ジャーマンアイリス」 https://ja.wikipedia.org/wiki/ジャーマンアイリス
  • Wikipedia日本語版「ダッチアイリス」 https://ja.wikipedia.org/wiki/ダッチアイリス
  • Wikipedia日本語版「キショウブ」 https://ja.wikipedia.org/wiki/キショウブ
  • Wikipedia英語版「Iris (plant)」 https://en.wikipedia.org/wiki/Iris_(plant)
  • Wikipedia英語版「Iris (mythology)」 https://en.wikipedia.org/wiki/Iris_(mythology)
  • Wikipedia英語版「Iris sanguinea」 https://en.wikipedia.org/wiki/Iris_sanguinea
  • Wikipedia英語版「Iris germanica」 https://en.wikipedia.org/wiki/Iris_germanica
  • Project Gutenberg「Language of Flowers」(Kate Greenaway, 1884) https://www.gutenberg.org/cache/epub/31591/pg31591.txt
  • Project Gutenberg「The Language of Flowers」(Henrietta Dumont, 1851) https://www.gutenberg.org/cache/epub/71779/pg71779.txt
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