水仙(スイセン)の花言葉|色別・種類別の意味と由来、怖いと言われる理由を資料10本で確かめる

水仙(スイセン)の花言葉|色別・種類別の意味と由来、怖いと言われる理由を資料10本で確かめる

水仙(スイセン)は、冬から春に白や黄色の花を咲かせるヒガンバナ科の球根植物です。中心に筒やカップの形をした副花冠があり、1本の茎に1輪咲く種類と、数輪が房になって咲く種類があります。【実測】花しるべが2026年10月15日に資料10本を照合したところ、花言葉は「自己愛」が10本すべてに、「うぬぼれ」が9本に載っていました。

この記事でわかること

  • 資料10本で数えた花言葉: 「自己愛」が10本、「うぬぼれ」「尊敬」「私のもとへ帰って」が9本。「自己愛」と「うぬぼれ」は、1851年と1884年の英語の花言葉の本にも Self-Love、Egotism として載っています。
  • 色別・種類別と怖い意味: 黄色・白・ピンク・オレンジ、ラッパスイセン・クチベニスイセンの語を表で並べます。「死」を花言葉に載せる資料は0本で、怖いと言われる理由は神話・毒・墓の3つです。
  • 種類・季節・毒・誕生花: 約30種と園芸の系統、11月から5月にずれる花期、ニラと間違える食中毒、名前が似た別の花、資料で割れる誕生花の日付をまとめます。

ほかの花の語と資料の厚みは、花の名前から花言葉を探す一覧で比べられます。

目次

水仙(スイセン)の花言葉は「自己愛」「うぬぼれ」

資料10本すべてが「自己愛」を、9本が「うぬぼれ」を載せ、「尊敬」「神秘」も8〜9本にあります。

【実測】花しるべは、2026年10月15日に「水仙の花言葉」でGoogle検索して返ったWebページの上位を資料にし、本文を読んで語ごとに載っている本数を数えました。全般・色別・種類別のどこに載せていても1本と数えています。「自惚れ」は「うぬぼれ」に、「報われぬ愛」「報われない恋」は「報われぬ恋」に、「もう一度愛して」「愛をもう一度」は「もう一度愛してほしい」にまとめました。資料の番号は後半の一覧の番号です。

花言葉 載っている本数(10本中) 載せている資料の番号
自己愛 10本 1〜10のすべて
うぬぼれ 9本 1・2・3・5・6・7・8・9・10
尊敬 9本 1・2・3・4・5・6・7・8・10
私のもとへ帰って 9本 1・2・3・4・5・6・7・8・10
神秘 8本 1・2・4・5・6・7・8・10
もう一度愛してほしい 8本 1・2・3・5・6・7・8・10
上品な 7本 1・2・5・7・8・9・10
報われぬ恋 6本 1・3・4・5・8・10
すてきな装い 6本 1・3・5・8・9・10
詩人の心 4本 1・5・8・10
愛に応えて 3本 2・6・8

このほか、1本だけが載せる語に「気高さ」(資料7)と「希望」(資料2)があります。資料9の、クチベニスイセンの「装いがとても素敵」という説明は「すてきな装い」に数えました。

同じ語を持つほかの花は、愛の花言葉の一覧と尊敬の花言葉の一覧で並べて見られます。

「自己愛」は1851年の英語の本にもある

1851年のデュモンの本は水仙を Self-Love、1884年のグリーナウェイの本は Egotism としています。

【公式仕様】ヘンリエッタ・デュモンの『The Language of Flowers』(1851年)は、「NARCISSUS AND DAFFODIL」の項に Self-Love(自己愛)を当て、続けて、古代の人々は水仙の起こりを、ニンフのエコーの恋を退けて泉に映る自分に恋し、やつれ死んだ美しい若者の変身と考えた、と書いています。ケイト・グリーナウェイの『Language of Flowers』(1884年)は、Narcissus に Egotism(うぬぼれ・自己中心)を当てています。

グリーナウェイの本は、ほかにも Daffodil(ラッパスイセン)に Regard(敬意)、Jonquil(キズイセン)に I desire a return of affection(愛を返してほしい)を当てています。日本語の資料が載せる「尊敬」や、黄色の「もう一度愛してほしい」と意味が重なります。ただし、日本語の語がこれらの本から訳されたと示す資料は見つかっていません。

確かめ方:19世紀の花言葉の本は全文を検索できます

Project Gutenberg は、著作権の切れた本をテキストで公開しているサイトです。デュモンの本は電子書籍番号71779、グリーナウェイの本は31591です。

テキスト版を開いて「Narcissus」「Daffodil」「Jonquil」で検索すると、本文の該当行に当たります。花しるべが本数に数えた日本語の資料10本とは別に、原典にさかのぼるための確かめ方です。

「尊敬」「神秘」は白い水仙とラッパスイセンに当てる資料が多い

「尊敬」は白い水仙かラッパスイセンに、「神秘」は白い水仙に当てる資料が多くあります。

【実測】「尊敬」を載せる9本のうち、白い水仙に当てるのが5本(資料2・6・7・8・10)、ラッパスイセンに当てるのが6本(資料1・3・4・5・8・10)で、両方に当てる資料もあります。「神秘」を載せる8本は、どれも白い水仙に当てていて、資料4・5・6は水仙全体の語にも入れています。

ほかの意味の語は意味から花言葉を探す一覧から入れます。

花言葉の由来|ナルキッソスの神話

自分の姿に恋した美少年ナルキッソスが水仙になった神話から、由来を説明する資料が9本あります。

【公式仕様】コトバンク「スイセン」に収録された改訂新版 世界大百科事典は、水仙の属名ナルキッススがギリシア神話の美少年ナルキッソスにちなむと書いています。ローマの詩人オウィディウスによれば、ナルキッソスは多くの娘に言い寄られてもすべて拒んだため、復讐の女神ネメシスが、水に映った自分の姿に恋するように仕向けました。彼は自分に見ほれて水死し、そのあとに咲いた1輪の花が水仙だった、という話です。

同じ事典は、花がやや下を向く姿は水面をのぞき込むナルキッソスの面影だといわれる、と書いています。旧版は、オウィディウスの『転身物語』で知られるこの話が、中世には、うぬぼれを待ち受ける運命の教訓として使われたと説明しています。

【実測】資料10本のうち9本が、「自己愛」「うぬぼれ」をこの神話から説明しています。資料9は「ギリシャ神話に関連する言葉」と書くところまでです。由来の説明に、出典となる本の名前を付けた資料はありませんでした。

神話の水仙はクチベニスイセンといわれる

世界大百科事典は、伝説に出てくる水仙は白い花のクチベニスイセンだといわれる、と書いています。

【公式仕様】改訂新版 世界大百科事典は、ナルキッソスの伝説に見える水仙は白い花のクチベニスイセンだといわれると書き、続けて「クチベニスイセンの花ことばは〈自己愛〉,ダフォディルは〈報われぬ恋〉である」としています。ダフォディルは黄色いラッパスイセンの英語名として知られ、同じ事典によると、現在ではスイセン属全体を指す名前です。

資料3と資料4も、ナルキッソスが姿を変えた水仙はクチベニスイセンだといわれると書いています。どの資料も「といわれる」までで、何に基づくかは示していません。花しるべも、クチベニスイセンだと言い切ることはしません。

水仙の花言葉は怖い?「死」の意味はあるか

資料10本に「死」を花言葉として載せるものは無く、そのうち5本は怖い意味はないと書いています。

【実測】資料2・5・7・8・10の5本が、水仙の花言葉に怖い意味はないと書いています。資料10は「『死』を意味する?」と問いかけたうえで、「怖い意味や死を表すものはありません」と答えています。検索の関連語に「水仙の花言葉は死」が出ますが、10本のどれにも「死」という花言葉はありませんでした。

怖いと言われる理由として資料が挙げる3つ

神話 ナルキッソスが水死して水仙になる話です。資料2・5・8が、怖いイメージの理由に挙げています。

毒 水仙は全草に毒があり、資料8と資料9が挙げています。毒の中身は、この記事の毒の節で一次情報から書きます。

墓 世界大百科事典は、ダフォディルの名が死者の国に咲く花アスフォデロスに由来し、古くから墓地に植えられたと書いています。

【公式仕様】英語版Wikipedia「Narcissus (plant)」も、古代ギリシャでは水仙が墓の近くに植えられたと書いています。花と死の結びつきの話で、花言葉の「死」ではありません。

「自己愛」「うぬぼれ」の語が気になるときの添え方は、資料5が、メッセージカードを添えて誤解されないようにすると書いています。怖い意味を持つとされる花の一覧は、怖い花言葉の一覧で別にまとめています。

色別の花言葉|黄色・白・ピンク・オレンジ

黄色は「私のもとへ帰って」、白は「神秘」「尊敬」、ピンクは「上品な」を当てる資料が多くあります。

【実測】資料10本は、どれも何かの色に花言葉を当てていました。黄色とピンクはほぼそろい、白は3通りに分かれ、オレンジは1本だけです。

色 花言葉と載せる本数 載せている資料の番号
黄色 私のもとへ帰って 9本/もう一度愛してほしい 8本/愛に応えて 3本 1・2・3・4・5・6・7・8・10
白 神秘 8本/尊敬 5本/上品 1本 神秘だけ=1・4・5/尊敬と神秘=2・6・7・8・10/上品=9
ピンク 上品な 6本 1・2・5・7・8・10
オレンジ 希望 1本 2

同じ色の花を花言葉から探すときは、色から花言葉を探す一覧から入れます。

黄色の水仙の花言葉

黄色は「私のもとへ帰って」が9本、「もう一度愛してほしい」が8本と、資料がよくそろっています。

【実測】黄色の語を載せる9本のうち、資料2・6・8は「愛に応えて」も加えています。資料6・7・8・10の4本は、この語を、冥界の神ハデスに連れ去られたペルセポネを思う母デメテルの気持ちと、ペルセポネの心をつかめなかったハデスの思いから説明しています。

【公式仕様】世界大百科事典は、ナルキッソスの花の冠を着けて眠っていたペルセフォネ(ペルセポネ)にハデスが手を触れたため、水仙が黄色い花に変わった、という神話を紹介しています。ただし、事典はこれを花の色の話として書いていて、花言葉の由来とは書いていません。1884年のグリーナウェイの本は、黄色いキズイセン(Jonquil)に「I desire a return of affection」を当てています。黄色い花を持つほかの花は黄色い花の花言葉の一覧にあります。

白い水仙の花言葉

白は「神秘」だけの資料が3本、「尊敬」と「神秘」の資料が5本、「上品」の資料が1本と分かれます。

【実測】資料1・4・5は白を「神秘」だけとし、資料2・6・7・8・10は「尊敬」と「神秘」の両方を当てています。資料9だけが白に「上品」を当てていて、ほかの6本がピンクに当てる語と同じです。白に語を当てない資料は、資料3の1本でした。

資料5と資料7は、雪が降るほどの寒さの中で咲く白い姿から「神秘」が付いたと説明し、資料10は、力強い生命力をたたえて「尊敬」が付いたと書いています。どちらも出典は付いていません。白い花のほかの語は白い花の花言葉の一覧で比べられます。

ピンクとオレンジの水仙の花言葉

ピンクは「上品な」を6本が載せ、オレンジに「希望」を当てるのは資料2の1本だけです。

【実測】ピンクの語を載せる6本は、そろって「上品な」でした。資料7と資料8は、貴婦人のようなイメージから付いたと説明しています。オレンジは資料2が「希望」を当てるだけで、ほかの9本はオレンジの語を載せていません。

【公式仕様】改訂新版 世界大百科事典は、花被片(花びら)の色を白と黄、副花冠の色を白・黄・赤・桃色と書いていて、桃色が挙がるのは副花冠のほうです。NHK出版 みんなの趣味の園芸「スイセン」は、‘ピンク・パラソル’を「珍しいサーモンピンク系のラッパ咲き」と紹介しています。ピンクとオレンジの花はピンクの花の花言葉とオレンジの花の花言葉にまとめています。

種類別の花言葉|ラッパスイセンとクチベニスイセン

ラッパスイセンは「尊敬」「報われぬ恋」、クチベニスイセンは「すてきな装い」を当てる資料が多くあります。

【実測】種類ごとの語を載せる資料は、ラッパスイセンが6本、クチベニスイセンが6本、ニホンスイセンが1本でした。

種類 花言葉と載せる本数 載せている資料の番号
ラッパスイセン 尊敬 6本/報われぬ恋 6本 1・3・4・5・8・10
クチベニスイセン すてきな装い 6本/詩人の心 4本 すてきな装い=1・3・5・8・9・10/詩人の心=1・5・8・10
ニホンスイセン 自惚れ・自己愛・報われない恋 1本 1

ラッパスイセンの花言葉は「尊敬」「報われぬ恋」

6本が「尊敬」と「報われぬ恋」を載せ、1884年の英語の本は Daffodil に Regard を当てています。

【公式仕様】暦生活「ラッパスイセン」によると、英国王立園芸協会は、副花冠の長さが花びらと同じかそれ以上のものをラッパスイセンと定義しています。暦生活はラッパスイセンを英語のダファディルとして紹介し、ウェールズの国花の1つで、3月1日の聖デイビッドの日に身に着けられると書いています。世界大百科事典は、ダフォディルは現在ではスイセン属全体を指すと書いています。

【実測】資料8は「尊敬」を、ウェールズで国花とされていることに通じると説明し、資料8と資料10は「報われぬ恋(報われぬ愛)」を、自分に恋をしたナルキッソスの思いから説明しています。世界大百科事典も、ダフォディルの花ことばを〈報われぬ恋〉と書いています。

クチベニスイセンの花言葉は「すてきな装い」「詩人の心」

口紅を引いたような副花冠から「すてきな装い」が付いたと説明する資料が4本あります。

【公式仕様】日本大百科全書によると、クチベニスイセン(学名 Narcissus poeticus)は地中海沿岸原産で、1本の茎に1輪咲く中輪種です。花に香りがあり、白い花びらの中心の副花冠の縁が赤や橙に色づきます。

【実測】資料3・5・8・10の4本が、副花冠の赤い縁取りが口紅のように見えることから「すてきな装い」が付いたと説明しています。「詩人の心」は、多くの詩人に歌われたことから付いたと資料8と資料10が書いています。

水仙の種類|約30種と、園芸の12〜13系統

野生の種は約30種あり、園芸品種は英国王立園芸協会が花の形などで系統に分けています。

【公式仕様】日本大百科全書と改訂新版 世界大百科事典は、スイセン属を約30種とし、NHK出版は25〜30種としています。世界大百科事典によると、園芸品種は1850年ころから盛んに改良され、1954年までに英国王立園芸協会に登録された品種は1万1000余りあります。NHK出版は、いまは1万を超す品種が登録されていると書いています。

系統の数は資料で違います。世界大百科事典とNHK出版は、1950年の英国王立園芸協会の分類を基本にした12の系統を挙げています。英語版Wikipediaは、1998年にキングトンが英国王立園芸協会のためにまとめた13の部門で、13番目に野生種を入れる分け方を書いています。

系統(世界大百科事典の12部門) 見分けどころ
ラッパズイセン 1本の茎に1輪。副花冠が花びらと同じ長さ以上
タイハイ(大杯)スイセン 1本の茎に1輪。副花冠が花びらの3分の1以上
ショウハイ(小杯)スイセン 1本の茎に1輪。副花冠が花びらの3分の1以下
八重咲きスイセン 花びらや副花冠が重なる
トライアンドルス・スイセン 花がうつむき、花びらが反り返る
シクラミネウス・スイセン 花びらが大きく後ろへ反り返る
ジョンキルラ・スイセン キズイセンの仲間。1本の茎に2〜3輪で香りがある
フサザキスイセン 1本の茎に数輪が房になって咲く。ニホンズイセンはここ
クチベニスイセン 白い花びらに、縁の赤い浅い副花冠
原種と野生種 園芸で改良されていないもの
スプリット・コロナ・スイセン 名前のとおり、副花冠(コロナ)が裂けた形
その他 どの部門か、はっきり決められないもの

見分けどころは世界大百科事典と日本大百科全書から書きました。

花のつくり(辞書と百科の記述から)

花びら 6枚に見える部分は、内側3枚と外側3枚の花被片です。世界大百科事典によると、花被片の色は白か黄です。

副花冠 中心の筒やカップの部分で、スイセン属に特徴的なつくりです。色は白・黄・赤・桃色があり、長さで系統が分かれます。

球根 地下の鱗茎です。日本大百科全書によると、球周り8cmの小球種から20cmに及ぶ大球種まであります。

日本で見かける主な水仙

厚生労働省とNHK出版は、ニホンズイセン、ラッパスイセン、房咲きの仲間、小さなブルボコディウムなどを挙げています。

【公式仕様】厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル:高等植物:スイセン類」は、日本で一般にスイセンといえばニホンスイセンを指すと書いています。ニホンスイセンは房咲きのタゼッタの仲間で、白い花びらに黄色い杯形の副花冠を持ちます。ラッパスイセンのように大型の花をつけるものは、ニホンスイセンに対して西洋スイセンと呼ばれることもあります。

NHK出版は、ニホンズイセンのほか、黄色い花びらに橙の副花冠の黄房スイセンや、原種系のミニスイセンのブルボコディウムなどを紹介しています。同じ春の球根の花では、チューリップの花言葉やアネモネの花言葉も資料を照合しています。

水仙の季節|花期は11月から5月、種類でずれる

早いものは11月から咲き、ニホンズイセンは12〜2月、ラッパスイセンは3〜4月が花期です。

【公式仕様】厚生労働省は、ニホンスイセンの花期を12〜2月、ラッパスイセンを3〜4月としています。世界大百科事典は、春に咲くのが基本で、早咲きのものは11〜3月、秋咲きの種もあると書いています。日本大百科全書は、花期を冬季から5月ころまでとしています。

並べると、11〜12月に早咲きの種類とニホンズイセンが咲き始め、3〜4月にラッパスイセン、5月ころまで遅咲きの種類が続きます。同じ春の花では、スズランの花言葉も資料を照合しています。

冬の花・雪中花と呼ばれる理由

室町時代の辞書に和名「雪中華」と出ていて、資料2と資料7も雪中花と呼ばれると書いています。

【公式仕様】日本大百科全書によると、室町時代の漢和辞書『下学集』(1444年)に、漢名を水仙華、和名を雪中華として出てくるのが、日本の文献で最初の記録です。資料2と資料7も、日本では雪の中で咲くことから「雪中花」と呼ばれると書いています。Wikipedia日本語版「福井県」によると、福井県の県の花は水仙です。

名前の由来と日本への渡来

水仙は中国の名前で、学名のナルキッススはギリシア神話の美少年ナルキッソスにちなみます。

【公式仕様】日本大百科全書は、ナルキッソスの名は麻酔や昏睡を意味するギリシア語のナルケ(narke)が語源とみられ、水仙に含まれる成分が麻酔のような状態を起こすことにちなむと書いています。中国には唐代に伝わって『酉陽雑俎』(860年ころ)に捺祇の名で載り、「水仙」の名はギリシア神話に影響を受けたと思われる中国名だとしています。

日本へ来た時期について、日本大百科全書は、『万葉集』をはじめ平安時代の文学や漢和辞書に水仙は出てこないことから、平安末期に渡来したとみられると書いています。改訂新版 世界大百科事典は、日本で野生化しているニホンズイセンは中国から来たもので、海流で運ばれたとも、人が持ってきたとも考えられるとしています。

日本の水仙は野生化か自生か、資料で扱いが違う

厚生労働省は日本の海岸の水仙を自生ではないと書き、キュー植物園は分布に日本を含めています。

【公式仕様】厚生労働省は、ニホンスイセンは関東地方以西の本州の暖地海岸に野生状態で生育するが自生ではない、と書いています。コトバンク「水仙」の精選版 日本国語大辞典は、本州以西の海岸に生育するものは野生化したものとの説がある、という書き方です。

一方、キュー王立植物園のデータベース(Plants of the World Online)は、スイセン属の分布を「Macaronesia to Afghanistan, SE. China to Japan」とし、原産の地域(Native to)に日本を入れています(2026年10月15日に取得)。花しるべは、日本の水仙が自生か野生化したものかを、どちらかに決めません。

水仙には毒がある|ニラと間違えた食中毒

水仙は全草に毒があり、とくに球根に多く、葉をニラと間違えて食べる食中毒が起きています。

【公式仕様】厚生労働省の「自然毒のリスクプロファイル」によると、水仙の有毒成分はリコリンやタゼチンなどのアルカロイドとシュウ酸カルシウムで、全草が有毒、とくに鱗茎(球根)に多く含まれます。食べると、悪心・嘔吐・下痢・流涎・発汗・頭痛・昏睡・低体温などの症状が出ます。葉が細いタイプの水仙はニラに、鱗茎はタマネギに似ていて、花が咲いていない時期に間違える例が多いと書いています。

【公式仕様】日本中毒情報センターは2025年3月13日の注意喚起で、葉をニラやネギと、球根をタマネギやノビルと間違えることがあり、花が枯れて葉だけになる4〜5月ごろに、ニラと間違えて調理して食べたという電話相談が多くなると書いています。

報道でも、2025年4月に長野県で70代の男性がニラと間違えて水仙を食べて食中毒になり(朝日新聞 2025年4月17日)、2026年4月には青森県八戸市で男性2人がノビルと間違えて水仙の球根を食べ、食中毒と断定されています(読売新聞 2026年4月24日)。

ニラとの見分け方はにおい

ニラの葉には特有の強いにおいがあり、水仙の葉はにおいが無いか、弱く青臭いだけです。

誤食を防ぐために公的機関が挙げていること

においを確かめる 厚生労働省によると、葉をもむか切ると、ニラはニンニクのような強い刺激臭がし、水仙のにおいは弱く青臭いだけです。

近くに植えない 日本中毒情報センターは、水仙の近くにニラやネギなどの食べる植物を植えないように呼びかけています。

分からないものは採らない 植えた覚えのない植物や、食べられると判断できない植物は、採らない・食べない・人にあげない、としています。

名前に「スイセン」が付く別の花

ナツズイセンとスイセンノウは、名前にスイセンと付きますが、どちらもスイセン属ではない別の花です。

【公式仕様】ナツズイセン(夏水仙)は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の Lycoris squamigera です。スイセンノウ(酔仙翁)は、ナデシコ科の植物です。水仙はヒガンバナ科スイセン属なので、ナツズイセンは同じ科の別の属、スイセンノウは科から違う花です。

3つの花の違い(辞書と百科の記述から)

水仙 ヒガンバナ科スイセン属。冬から春に白や黄の花。中心に副花冠があります。

ナツズイセン ヒガンバナ科ヒガンバナ属。8月に、葉の無い茎の先にピンクの花を数輪咲かせます。

スイセンノウ ナデシコ科。夏から秋に、銀白色の綿毛に覆われた茎の先に、紅・白・桃色の5弁の花を咲かせます。

ナツズイセン(夏水仙)の花と花言葉

ヒガンバナ属の花で、夏に葉の無い茎を伸ばし、先にピンクの花を咲かせます。

【公式仕様】Wikipedia日本語版「ナツズイセン」によると、葉がスイセンに似ていて夏に花が咲くことから夏水仙と名付けられ、花の時期に葉が無いので俗にハダカユリとも呼ばれます。秋から春に出た葉が枯れたあと、8月中旬から下旬に高さ60cmほどの花茎を伸ばして咲きます。精選版 日本国語大辞典は中国原産とします。

【実測】2026年10月15日に「夏水仙 花言葉」で検索した上位のうち、LOVEGREENは「あなたのために何でもします」「深い思いやり」「楽しみ」「快い楽しさ」「悲しい思い出」を、GreenSnapは「深い思いやり」「楽しさ」「悲しい思い出」「あなたのためになんでもします」を載せていました。水仙の資料10本とは別に照合した2本です。

スイセンノウ(酔仙翁)の花言葉

ナデシコ科の花で、照合した3本がそろって「私の愛は不変」を載せていました。

【公式仕様】日本大百科全書「スイセンノウ」によると、スイセンノウは南ヨーロッパ・西アジア原産のナデシコ科の多年草で、茎と葉が銀白色の綿毛に覆われるのでフランネルソウとも呼ばれます。夏から秋に、径2〜3cmの5弁の花を1輪ずつ咲かせ、花の色は紅のほか白や桃色があります。

【実測】2026年10月15日に「スイセンノウ 花言葉」で検索した上位のうち、LOVEGREENは「私の愛は不変」「好意」「好感」、花言葉-由来は「私の愛は不変」、花言葉.netは「私の愛は不変」「いつも愛して」と、色別に赤「愛」・ピンク「好感」・白「名誉」を載せていました。照合したのは3本だけです。

水仙は何月何日の誕生花か

日付を書く資料7本のうち、1月13日が7本で最多、1月2日・1月3日・4月3日が5本ずつです。

【実測】資料10本のうち、誕生花の日付を書いているのは資料2・3・4・5・7・8・10の7本でした。1月13日は7本すべてが挙げていて、資料3・5・8・10は白い水仙の日としています。1月2日と4月3日は黄色、1月3日は白の日とする資料が多くあります。

日付 挙げる本数(日付を書く7本中) 資料の番号と添える色・種類
1月13日 7本 2・3・4・5・7・8・10(3・5・8・10は白)
1月2日 5本 3・5・7・8・10(7以外は黄)
1月3日 5本 3・5・7・8・10(7以外は白)
4月3日 5本 3・5・7・8・10(7以外は黄)
1月4日 3本 2・3・10(3・10は白と黄)
ラッパスイセンの日 — 1月16日・2月9日・3月1日(3・10)、2月16日(3・5)
クチベニスイセンの日 — 12月29日・30日・31日(5)

【実測】花しるべの誕生花のページでは、1月13日と1月19日の誕生花に水仙を当てています。どの日付が正しいという決まりはないため、花しるべは資料ごとに割れていることをそのまま表に出しています。日付から花を探すときは誕生花の一覧から入れます。

照合した資料10本と、この記事の調べ方

検索で返った上位の記事10本を資料にし、語ごとに載っている本数を数え、植物の事実は辞書から取りました。

選び方は、2026年10月15日に「水仙の花言葉」でGoogle検索して返った9位までのWebページ8件(9位のInstagram投稿は除く)に、「スイセン 花言葉 色別」7位のデコームと、「水仙 花言葉 怖い」9位のハッピーライフの2件を足した10件です。すべてWebの資料で、書籍は含みません。

番号 資料(2026年10月15日に照合)
資料1 FLOWER flowr.is
資料2 AND PLANTS andplants.jp
資料3 花言葉-由来 hananokotoba.com
資料4 LOVEGREEN lovegreen.net
資料5 プレミアガーデン prrr.jp
資料6 mermer mermer.jp
資料7 HanaPrime hanaprime.jp
資料8 GreenSnap greensnap.co.jp
資料9 デコーム decome.jp
資料10 ハッピーライフ happymail.co.jp

10本の本文に、花言葉の原典の書名は1件も出てきませんでした。だから花しるべは、英語の花言葉の本2冊を全文で検索し、植物の事実は辞書とキュー王立植物園のデータベース、毒は厚生労働省と日本中毒情報センターの資料で確かめました(参考情報に一覧)。

水仙のよくある質問

Q. 水仙の花言葉は何ですか。

A. 資料10本のうち「自己愛」が10本、「うぬぼれ」「尊敬」「私のもとへ帰って」が9本に載っています。英語でも、1851年の本が Self-Love、1884年の本が Egotism を当てていて、ナルキッソスの神話と結びつく語は19世紀からあったことが分かります。色や種類の語まで数えると、1本だけの「気高さ」「希望」を合わせて13語が出てきます。

Q. 水仙を贈るのは失礼ですか。

A. 資料10本に「死」を載せるものは無く、5本は怖い意味はないと書いています。資料5は、誤解されないようメッセージカードを添えることと、お見舞いでは「根付く」として鉢植えを避ける考えがあることを挙げています。怖いと言われる理由として資料が挙げるのは、神話・毒・墓の3つで、花言葉そのものではありません。

Q. 黄色い水仙と白い水仙で花言葉は違いますか。

A. 違います。黄色は「私のもとへ帰って」が9本、白は「神秘」が8本です。白には「尊敬」を加える資料が5本ある一方、「神秘」だけの資料も3本あり、白のほうが資料で割れています。英語では1884年の本が、黄色いキズイセンに I desire a return of affection を当てています。なお、白い花びらに黄色い副花冠の花のように2色の水仙を、どちらの色の語で読むかを書いた資料は10本にありませんでした。

Q. ラッパスイセンと水仙は違う花ですか。

A. ラッパスイセンはスイセン属の中の1種で、水仙の仲間です。英国王立園芸協会は、副花冠が花びらと同じ長さかそれより長いものをラッパスイセンとしています。日本でただ水仙と呼ぶときは、白い花びらに黄色い小さな副花冠のニホンスイセンを指すことが多いと厚生労働省は書いています。

Q. 水仙の葉はどうやってニラと見分けますか。

A. においで見分けます。日本中毒情報センターによると、ニラの葉には特有のにおいがあり、水仙の葉にはにおいがありません。球根はタマネギやノビルと間違えやすいと日本中毒情報センターは書いていて、花が枯れて葉だけになる4〜5月に間違いが増えます。植えた覚えのない植物は採らないことが基本です。厚生労働省の症例には、2008年12月に茨城県の小学校で、菜園の水仙の球根をタマネギと間違えてみそ汁に入れ、児童5人が吐き気などを訴えた例もあり、葉だけでなく球根の取り違えも起きています。

Q. 水仙は何月の花ですか。

A. 早いものは11月から咲き、ニホンズイセンは12〜2月、ラッパスイセンは3〜4月、遅いものは5月ころまで咲きます。誕生花としては、日付を書く資料7本すべてが1月13日を挙げていて、花しるべも1月13日と1月19日の誕生花に水仙を当てています。資料3と同じ花言葉-由来のスイセンノウのページにある6月18日・8月19日・8月26日は、別の花の日付です。

まとめ

水仙の花言葉は「自己愛」が10本すべてにあり、色や種類で語が分かれる花でした。

花しるべの考え:水仙は「神話の語が、19世紀の英語の本までさかのぼれる花」

1つ目の段 花言葉は「自己愛」が10本、「うぬぼれ」「尊敬」「私のもとへ帰って」が9本。「自己愛」は1851年の Self-Love、「うぬぼれ」は1884年の Egotism と重なり、どちらもナルキッソスの神話と結びつきます。

2つ目の段 黄色は「私のもとへ帰って」、ピンクは「上品な」でほぼそろい、白は3通りに割れます。ラッパスイセンは「尊敬」「報われぬ恋」、クチベニスイセンは「すてきな装い」。「死」を載せる資料はありません。

3つ目の段 系統の数、日本の水仙が自生か野生化か、花言葉の由来、誕生花の日付は、資料で割れます。花しるべはどれか1つに決めず、割れていること自体を書きます。毒だけは、厚生労働省の資料どおりに書きます。

ほかの花の語と資料の厚みを比べるなら花言葉一覧(花の名前から探す)から入れます。意味・色・誕生日から探すときは、本文中の各一覧から入れます。

参考情報

  • FLOWER「スイセンの花言葉は?」 https://flowr.is/articles/180
  • AND PLANTS「スイセンの花言葉|色別の花言葉や誕生花、名前の由来」 https://andplants.jp/blogs/magazine/narcissus_hanakotoba
  • 花言葉-由来「スイセンの花言葉」 https://hananokotoba.com/suisen/
  • LOVEGREEN「水仙の花言葉」 https://lovegreen.net/languageofflower/p26065/
  • プレミアガーデン「水仙(スイセン)の花言葉は怖い?」 https://prrr.jp/note/tips/6200/
  • mermer「スイセンとは?」 https://mermer.jp/column/?p=4872
  • HanaPrime「スイセン(水仙)の花言葉」 https://hanaprime.jp/language-flower/narcissus/
  • GreenSnap「水仙の花言葉」 https://greensnap.co.jp/columns/narcissus_language
  • デコーム「スイセン(水仙)の花言葉」 https://decome.jp/contents/detail/60/
  • ハッピーライフ「水仙(スイセン)の花言葉」 https://happymail.co.jp/happylife/special-feature/endorsement/
  • コトバンク「スイセン」(日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典ほか) https://kotobank.jp/word/スイセン-753248
  • コトバンク「水仙」(精選版 日本国語大辞典) https://kotobank.jp/word/水仙-539895
  • コトバンク「夏水仙」(精選版 日本国語大辞典) https://kotobank.jp/word/夏水仙-588970
  • コトバンク「スイセンノウ」(日本大百科全書) https://kotobank.jp/word/スイセンノウ-3155954
  • NHK出版 みんなの趣味の園芸「スイセン」 https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-265
  • 暦生活「ラッパスイセン」(2025年3月18日) https://www.543life.com/content/shun/post20250318.html
  • 厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル:高等植物:スイセン類」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000075843.html
  • 日本中毒情報センター「スイセンをニラなどと間違えて誤食しないように注意しましょう!」(2025年3月13日) https://www.j-poison-ic.jp/report/suisen20250313/
  • 朝日新聞「スイセンをニラと間違えた男性が食中毒」(2025年4月17日) https://www.asahi.com/articles/AST4J528GT4JUOOB00LM.html
  • 読売新聞「実は有毒、スイセンの球根部分を食べた男性が食中毒」(2026年4月24日) https://www.yomiuri.co.jp/national/20260424-GYT1T00264/
  • Royal Botanic Gardens, Kew「Plants of the World Online: Narcissus L.」 https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:1558-1
  • Wikipedia日本語版「ナツズイセン」 https://ja.wikipedia.org/wiki/ナツズイセン
  • Wikipedia日本語版「福井県」 https://ja.wikipedia.org/wiki/福井県
  • Wikipedia英語版「Narcissus (plant)」 https://en.wikipedia.org/wiki/Narcissus_(plant)
  • LOVEGREEN「ナツズイセンの花言葉」 https://lovegreen.net/languageofflower/p315075/
  • GreenSnap「ナツズイセンの花言葉」 https://greensnap.jp/article/9303
  • LOVEGREEN「スイセンノウ(リクニス・コロナリア)の花言葉」 https://lovegreen.net/languageofflower/p291919/
  • 花言葉-由来「スイセンノウの花言葉」 https://hananokotoba.com/rose-campion/
  • 花言葉.net「スイセンノウの花言葉と由来」 https://hanakotoba.net/suisennou/
  • Project Gutenberg「The Language of Flowers」(Henrietta Dumont, 1851) https://www.gutenberg.org/cache/epub/71779/pg71779.txt
  • Project Gutenberg「Language of Flowers」(Kate Greenaway, 1884) https://www.gutenberg.org/cache/epub/31591/pg31591.txt
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