シャクヤク(芍薬)は、5〜6月に大きな花を咲かせるボタン科の多年草です。冬は地上の茎葉が枯れ、春に根から芽を出す草で、樹木のボタンとは育ち方が違います。【実測】花しるべが2026年10月19日に資料10本を照合したところ、花言葉は「恥じらい」と「はにかみ」が10本すべてに載っていました。
この記事でわかること
- 資料10本で数えた花言葉: 「恥じらい」「はにかみ」が10本、「誠実」「幸せな結婚」が9本。「恥じらい」は1884年の英語の花言葉の本にも Shame・Bashfulness として載っています。
- 色別の語と怖い意味: 白・ピンク・赤・紫の語を表で並べます。紫の「怒り」は8本が載せ、1851年の英語の本も Peony を Anger としていました。黄色に語を当てる資料はありません。
- 種類・品種・季節・誕生花: 7つの咲き方と代表品種、白い品種、5〜6月の花期、ボタンとの違い、資料で割れる誕生花の日付をまとめます。
ほかの花の語と資料の厚みは、花の名前から花言葉を探す一覧で比べられます。
シャクヤク(芍薬)の花言葉は「恥じらい」「はにかみ」
資料10本すべてが「恥じらい」と「はにかみ」を載せ、「誠実」「幸せな結婚」も9本にあります。
【実測】花しるべは、2026年10月19日に「シャクヤク花言葉」でGoogle検索して返ったWebページの上位を資料にし、本文を読んで語ごとに載っている本数を数えました。全般・色別のどこに載せていても1本と数えています。「はじらい」は「恥じらい」に、「慎ましさ」は「つつましさ」に、「幸福な結婚」は「幸せな結婚」にまとめました。資料の番号は後半の一覧の番号です。
| 花言葉 | 載っている本数(10本中) | 載せている資料の番号 |
|---|---|---|
| 恥じらい | 10本 | 1〜10のすべて |
| はにかみ | 10本 | 1〜10のすべて |
| 誠実 | 9本 | 1・3・4・5・6・7・8・9・10 |
| 幸せな結婚 | 9本 | 1・3・4・5・6・7・8・9・10 |
| 怒り | 8本 | 1・4・5・6・7・8・9・10 |
| 憤怒 | 7本 | 1・4・5・6・7・8・10 |
| 威厳 | 6本 | 5・6・7・8・9・10 |
| 満ち足りた心 | 6本 | 3・5・6・7・8・10 |
| つつましさ | 4本 | 5・6・8・9 |
| 荘厳 | 3本 | 3・8・10 |
| 謙遜 | 2本 | 6・8 |
このほか、1本だけが載せる語に、ピンクの「生まれながらの素質」(資料7)があります。資料6は、よくある質問の回答の中でだけ「清廉」「気品」「壮大」を挙げていて、同じ資料の色別の表とは語が食い違っていました。
幸せを表す語を持つほかの花は、幸せの花言葉の一覧で並べて見られます。
「恥じらい」は1884年の英語の本にもある
1884年のグリーナウェイの本は、Peony(シャクヤク)に Shame と Bashfulness を当てています。
【公式仕様】ケイト・グリーナウェイの『Language of Flowers』(1884年)は、Peony の行に「Shame. Bashfulness.」と書き、索引の Bashfulness と Shame の行にも Peony を挙げています。Shame は恥、Bashfulness ははにかみ・内気という意味で、日本語の資料10本がそろって載せる「恥じらい」「はにかみ」と意味が重なります。
資料4・6・8は、英語の花言葉として bashfulness を挙げ、資料4と資料8は compassion(思いやり)も加えています。ただし、日本語の語がこれらの本から訳されたと示す資料は見つかっていません。
確かめ方:19世紀の花言葉の本は全文を検索できます
Project Gutenberg は、著作権の切れた本をテキストで公開しているサイトです。グリーナウェイの本は電子書籍番号31591、デュモンの本は71779です。
テキスト版を開いて「Peony」で検索すると、本文の該当行に当たります。花しるべが本数に数えた日本語の資料10本とは別に、原典にさかのぼるための確かめ方です。
「誠実」「幸せな結婚」は色ごとに当てる語
「誠実」は赤い芍薬に、「幸せな結婚」は白い芍薬に当てる資料が9本ずつあります。
【実測】「誠実」を載せる9本は、どれも赤い芍薬の語としていて、資料1だけは芍薬全体の語にも入れています。「幸せな結婚」を載せる9本も、どれも白い芍薬の語です。資料2だけは色ごとの語を書かず、「恥じらい」「はにかみ」の2つを挙げるところまででした。ほかの意味の語は意味から花言葉を探す一覧から入れます。
花言葉の由来|夕方に閉じる花と、恥じらう妖精の話
由来は、夕方に花を閉じるからという説明が9本、恥ずかしがりの妖精の話が7本にあります。
【実測】資料10本のうち9本が、「恥じらい」「はにかみ」を、芍薬の花が夕方(資料9は夜)になると閉じる様子から説明しています。7本は、恥ずかしがり屋の妖精が芍薬の花に隠れたイギリスの話を挙げ、資料6だけは妖精ではなく天使として書いています。由来の説明に、出典となる本の名前を付けた資料はありませんでした。
「恥じらい」の由来として資料が挙げる3つの説明
夕方に閉じる花 資料4の1本を除く9本が挙げています。花が閉じる様子を、恥じらってうつむく姿に見立てたという説明です。
隠れた妖精 資料2・4・5・6・7・8・10の7本が挙げています。妖精が隠れたため花びらまで赤く染まった、という話です。
英語の言い回し 資料2・4・7・10の4本が、英語の慣用句 blush like a peony(芍薬のように顔を赤らめる)を挙げています。
妖精の話は世界大百科事典にもある
世界大百科事典は、妖精が恥じて芍薬の陰に隠れた伝説と、花言葉の恥じらいを結んで書いています。
【公式仕様】コトバンク「シャクヤク」に収録された改訂新版 世界大百科事典(荒俣宏)は、イギリスの伝説では、過ちを犯した妖精が不面目を恥じてシャクヤクの陰に隠れたため、花が赤く染まったとされ、花言葉の〈恥じらい〉もそれにちなむという、と書いています。英語版Wikipediaの「Peony」も、いたずら好きのニンフが花びらに隠れたと言われ、花言葉で Shame や Bashfulness の意味になったと書いています。
どちらも「といわれる」「ちなむという」までで、伝説の出どころの本は示していません。花しるべも、この伝説が由来だと言い切ることはしません。
「夕方に花を閉じる」は辞書では確かめられなかった
9本が書く「夕方に閉じる」性質は、花しるべが開いた辞書と百科の植物の説明には出てきません。
【実測】日本大百科全書、改訂新版 世界大百科事典、百科事典マイペディア、ブリタニカ国際大百科事典、Wikipediaの日本語版と英語版のシャクヤクの項を読みましたが、花が夕方に閉じるという記述はありませんでした。資料に書かれていることは否定しませんが、植物の性質として確かめられた話ではないため、花しるべは「資料9本がこう説明する」と書くところまでにします。
シャクヤクの花言葉は怖い?紫の「怒り」
怖いとされるのは紫の「怒り」「憤怒」で、8本が載せていますが、「死」や「呪い」を載せる資料はありません。
【実測】紫の芍薬に「怒り」を当てるのは資料1・4・5・6・7・8・9・10の8本、「憤怒」は資料9を除く7本です。資料8・9・10は、芍薬全体には怖い花言葉はなく、紫だけが別だと書いています。検索の質問欄には「花言葉『呪い殺す』の花は?」も出ますが、芍薬の資料10本にそうした語はありませんでした。
紫の語の由来は、資料7が、ピオニーという娘と太陽神アポロンの仲を見た女神アフロディーテが嫉妬して花に変えた、というギリシャ神話を挙げています。この話を書いたのは10本のうち1本だけで、古い出典も示していません。怖い意味を持つとされる花は怖い花言葉の一覧にまとめています。
1851年の英語の本は Peony を Anger とした
1851年のデュモンの本は、赤い炎のような色から、Peony を怒りの象徴に選んだと書いています。
【公式仕様】ヘンリエッタ・デュモンの『The Language of Flowers』(1851年)は、「PEONY」の項に Anger(怒り)を当て、続けて、その赤く燃えるような色合いから怒りの象徴に選ばれたと書いています。日本語の資料が紫の芍薬に当てる「怒り」と同じ語ですが、デュモンの本は紫ではなく赤い色を理由に挙げています。日本語の語がこの本から来たと示す資料は見つかっていません。
1884年のグリーナウェイの本は Shame・Bashfulness、1851年のデュモンの本は Anger と、19世紀の英語の本どうしでも語が分かれています。紫の花を持つほかの花は紫の花の花言葉の一覧にあります。
色別の花言葉|白・ピンク・赤・紫
白は「幸せな結婚」、ピンクは「恥じらい」「はにかみ」、赤は「誠実」、紫は「怒り」を当てる資料が多くあります。
【実測】資料10本のうち、色ごとに語を当てているのは資料2を除く9本でした。白・赤・紫はよくそろい、ピンクも8本が同じ語です。黄色とオレンジに語を当てる資料はありませんでした。
| 色 | 花言葉と載せる本数 | 載せている資料の番号 |
|---|---|---|
| 白 | 幸せな結婚 9本/満ち足りた心 6本/恥じらい・はにかみ 4本 | 幸せな結婚=1・3・4・5・6・7・8・9・10/満ち足りた心=3・5・6・7・8・10/恥じらい・はにかみ=7・8・9・10 |
| ピンク | 恥じらい・はにかみ 8本/生まれながらの素質 1本 | 1・3・4・6・7・8・9・10(1は「はにかみ」だけ)/7 |
| 赤 | 誠実 9本/威厳 6本/はにかみ 6本/荘厳 3本 | 誠実=1・3・4・5・6・7・8・9・10/威厳=5・6・7・8・9・10/はにかみ=3・6・7・8・9・10/荘厳=3・8・10 |
| 紫 | 怒り 8本/憤怒 7本 | 怒り=1・4・5・6・7・8・9・10/憤怒=1・4・5・6・7・8・10 |
| 黄色・オレンジ | 0本 | 資料1は、黄色は新しい品種のため花言葉がまだないと書く |
同じ色の花を花言葉から探すときは、色から花言葉を探す一覧から入れます。
白い芍薬の花言葉は「幸せな結婚」「満ち足りた心」
白は9本が「幸せな結婚」、6本が「満ち足りた心」を載せ、4本は「恥じらい」「はにかみ」も加えます。
【実測】白に「幸せな結婚」を当てる9本のうち、資料1と資料4は白をこの1語だけにしています。資料7・8・9・10は「恥じらい」「はにかみ」を白にも重ねていて、全体の語が白にもそのまま当たる、という書き方です。資料3・4・5・6・10は、純白の花嫁の装いやウェディングブーケに結びつけて「幸せな結婚」を説明しています。白い花のほかの語は白い花の花言葉の一覧で比べられます。
ピンクの芍薬の花言葉は「恥じらい」「はにかみ」
ピンクは8本が「恥じらい」「はにかみ」を当て、芍薬全体の語と同じだと書く資料もあります。
【実測】資料3と資料10は、ピンクの語が芍薬そのものの花言葉と同じだと書き、資料4と資料9は、ピンクを芍薬の基本の色と呼んでいます。資料7だけは「生まれながらの素質」を加えていました。資料5はピンクの語を書いていません。検索の関連語に「濃いピンク」も出ますが、濃いピンクに別の語を当てる資料は10本にありませんでした。ピンクの花はピンクの花の花言葉の一覧にまとめています。
赤い芍薬の花言葉は「誠実」「威厳」
赤は9本が「誠実」、6本が「威厳」を載せ、「はにかみ」や「荘厳」を加える資料もあります。
【実測】赤に「誠実」だけを当てるのは資料1と資料4です。資料5・6・7・8・9・10は「威厳」を加え、資料3・8・10は「荘厳」も加えています。資料5は、赤い芍薬の冴えた堂々とした色合いから付けられた語だと説明しています。赤い花のほかの語は赤い花の花言葉の一覧にあります。
黄色・オレンジの芍薬に花言葉はあるか
資料10本に、黄色やオレンジ(コーラル)の芍薬に語を当てるものはありませんでした。
【実測】資料1は、黄色の芍薬はあるものの、新しい品種のため花言葉はまだついていないと書いています。資料8は花色に黄色を挙げますが、語は当てていません。検索の関連語に「芍薬 花言葉 オレンジ」が出ますが、オレンジの語を載せる資料も0本でした。黄色い芍薬が新しいと言われる理由は、次の種類の節で、ボタンとの交配の話として書きます。黄色い花のほかの語は黄色い花の花言葉の一覧で探せます。
シャクヤクの種類|7つの咲き方と、和芍薬・洋芍薬
日本大百科全書は、一重・八重・金しべ・翁・冠・手まり・バラの咲き方を挙げています。
【公式仕様】日本大百科全書によると、日本で改良された芍薬には花芯がいろいろに変わった独特なものがあり、一重咲き、八重咲き、金しべ咲き、おきな咲き、冠咲き、手まり咲き、バラ咲きなどの花形があります。改訂新版 世界大百科事典は、おしべが花びらに変わって八重咲きになりやすく、園芸化に伴って変化に富んだ花形の品種が多くできた、と説明しています。
| 咲き方 | 見分けどころ | 資料2が挙げる代表品種 |
|---|---|---|
| 一重咲き | 花びらが重ならず、すっきりした形 | コーラルキング、アメリカ |
| 半八重咲き | 一重より花びらが多い | レッドレッドローズ、シザレア |
| 金しべ咲き | 一重で、太いおしべが少し花びらに変わって金色になる | ボール・オブ・ビューティー、スカーレットオハラ |
| 翁咲き | おしべが細長い花びらに変わり、花びらと別の色になる | レッドチャーム、富士、ホワイトキャップ |
| 冠咲き | 花びらに変わったおしべが、冠のように丸く盛り上がる | ドクターアレキサンダーフレミング、キャロル |
| 手まり咲き | おしべがさらに花びらに変わり、外側の花びらと区別しにくい | サラ・ベルナール、レッド・グレース、恋唄 |
| バラ咲き | 花びらの枚数が多く、バラのように見える | ルーズベルト、滝の粧、クリスタルビューティー |
見分けどころは日本大百科全書・世界大百科事典と資料2から書き、代表品種は資料2の分け方をそのまま写しました。資料10も、同じ咲き方ごとにほぼ同じ品種名を挙げています。
和芍薬と洋芍薬
日本で改良された品種を和芍薬、ヨーロッパで改良された品種を洋芍薬と呼び分けます。
【公式仕様】日本大百科全書は、日本で改良された品種をニホンシャクヤク、フランスやイギリスなどで改良されたものをヨウシュシャクヤクと呼ぶと書き、洋種はおもに八重咲きで、香りのあるものが多いとしています。Wikipedia日本語版「シャクヤク」によると、日本の芍薬は一重咲きが中心で、おしべが大きく盛り上がる金しべ咲きが多く、海外ではこの形を「ジャパニーズ・タイプ」と呼びます。熊本藩で武士の素養として育てられた系統は、肥後芍薬と呼ばれます。
黄色い品種はボタンとの交配から生まれた
1940年代に伊藤東一が、木のボタンと草の芍薬の交配に成功し、黄色い花の品種が生まれました。
【公式仕様】英語版Wikipedia「Peony」は、1940年代に伊藤東一(Toichi Itoh)が木本のボタンと草本の芍薬を交配し、インターセクショナル・ハイブリッドと呼ばれる新しい群を作ったと書いています。Wikipedia日本語版も、伊藤東一がボタンの黄花品種との交配で濃い黄色の品種をいくつか作り、世界的に注目されたと書いています。黄色の芍薬に花言葉がまだ無いとする資料1の説明は、この新しさと合っています。
芍薬の品種一覧|白・ピンクの代表品種
英語版Wikipediaが挙げる受賞品種のうち、色が書かれた9品種は、白が4品種、ピンク系が5品種です。
【公式仕様】英語版Wikipedia「Paeonia lactiflora」は、英国王立園芸協会のガーデンメリット賞を受けた品種を花の形と色つきで挙げています。数百の品種があり、白・ピンク・ローズ・赤に近い色まで、一重から完全な八重まであり、切り花の芍薬の主な供給源になっている、と書いています。
| 品種名 | 咲き方と色 |
|---|---|
| デュシェス・ドゥ・ヌムール(Duchesse de Nemours) | 八重・白 |
| フェスティバ・マキシマ(Festiva Maxima) | 八重・白 |
| ローラ・デザート(Laura Dessert) | 八重・白 |
| ホイットレイ・メジャー(Whitleyi Major) | 一重・白。おしべが目立つ |
| サラ・ベルナール(Sarah Bernhardt) | 八重・ピンク |
| ムッシュ・ジュール・エリー(Monsieur Jules Elie) | 八重・ピンク |
| フェリックス・クルーセ(Felix Crousse) | 八重・濃いピンク |
| ボウル・オブ・ビューティー(Bowl of Beauty) | ピンクとクリーム |
| コーラル・チャーム(Coral Charm) | サーモンピンク |
英語版Wikipediaの一覧には、このほかに Miss America と Gold Rush も載っていますが、色の記載が無いため表に入れていません。品種名のカタカナは、英語の表記から花しるべが当てた読み方です。資料2が挙げるボール・オブ・ビューティーと、この表のボウル・オブ・ビューティーは同じ品種名の表記違いです。
白い芍薬の品種
ガーデンメリット賞の白い品種は、八重のデュシェス・ドゥ・ヌムールなど3つと、一重のホイットレイ・メジャーです。
【公式仕様】英語版Wikipediaによると、芍薬の学名の種小名 lactiflora は「乳白色の花の」という意味で、ヨーロッパに初めて入ったときは白いシャクヤク(P. albiflora)と呼ばれていました。改訂新版 世界大百科事典も、野生の芍薬の花は白色ないし淡紅色だと書いています。
白い芍薬に当てる語は、前の色別の節のとおり「幸せな結婚」が9本、「満ち足りた心」が6本です。ガーデンメリット賞の白い品種のうち3つは八重で、一重はホイットレイ・メジャーの1つだけでした。
芍薬の季節|花は5月上旬から6月
日本大百科全書は5月上旬から下旬、百科事典マイペディアは5〜6月を花期としています。
【公式仕様】日本大百科全書は、花はボタンに続いて5月上旬から下旬に開くと書き、百科事典マイペディアとWikipedia日本語版は5〜6月としています。精選版日本国語大辞典は芍薬を夏の季語とし、デジタル大辞泉は季夏(夏の終わり)の季語としています。資料2は、つぼみがきれいな球形で、ボタンより遅い5月初旬〜下旬に咲くと書いています。
日本大百科全書によると、葉は花のあと夏から秋まで残って根に養分を蓄え、その間に翌年の花芽ができます。冬は地上部が枯れて休眠し、4月上旬ころから芽が伸び始めます。同じ5月の花では、母の日のカーネーションの花言葉も資料を照合しています。
シャクヤクとボタンの違い
芍薬は冬に地上部が枯れる草で、ボタンは冬も枝が残る木です。どちらもボタン科ボタン属です。
【公式仕様】Wikipedia日本語版は、ボタンが樹木であるのに対して芍薬は草本だと書き、ボタンの項では、どちらもボタン属で英語ではともに Peony と呼ばれると書いています。精選版日本国語大辞典は芍薬を「キンポウゲ科」としていますが、これは古い分類です。Wikipedia日本語版のボタンの項によると、いまはボタン科として独立し、APG体系ではユキノシタ目に置かれています。
芍薬とボタンの見分け方(辞書と資料の記述から)
育ち方 芍薬は草本で、冬に地上部が枯れて根で休眠します。ボタンは落葉低木で、冬も枝が残ります。
葉 資料1と資料2によると、芍薬の葉は丸みがあってつやがあり、ボタンの葉はつやがなく切れ込みがあります。
咲く時期 資料2によると、ボタンは4月下旬〜5月初め、芍薬は5月初旬〜下旬で、芍薬のほうが遅く咲きます。
「立てば芍薬座れば牡丹」の意味
立っても座っても歩いても姿が美しい人をたとえる言葉で、近世の流行唄から出た表現です。
【公式仕様】コトバンクのことわざを知る辞典は、「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」を艶やかで魅力的な美人の形容とし、近世の流行唄から出た表現で、都々逸の形式を備えていると書いています。改訂新版 世界大百科事典は、横枝の出るボタンに対し、茎がすらりと伸びる芍薬の草姿を示したもの、と説明しています。
Wikipedia日本語版は、漢方の生薬の使い分けから来たとする説も紹介したうえで、本当の由来ははっきりしていない、と書いています。同じことわざに出てくるユリの花言葉も資料を照合しています。
名前の由来と日本への渡来
芍薬の名は漢名に基づき、日本大百科全書は「はっきり目立つ薬草」の意味で薬効に由来すると書いています。
【公式仕様】日本大百科全書によると、芍薬の名は漢名の芍薬に基づき、はっきり目立つ(勺)薬草という意味です。日本には薬として持ち込まれ、平安時代の辞書『倭名類聚抄』(931〜938年ころ)に「衣比須久須理(えびすぐすり)」の名で薬草として載っています。根を乾かしたものは、いまも漢方の生薬として鎮痛やけいれん止めに使われています。
資料1・2・3・4・8・10の6本は、しなやかで優しい姿を表す「綽約(しゃくやく)」から名が付いたと書いています。日本大百科全書の説明とは違う説で、資料はどちらも「といわれる」と書いています。
【公式仕様】別名について、デジタル大辞泉は顔佳草(かおよぐさ)・夷草を、精選版日本国語大辞典は、かおよぐさ・えびすぐすりを挙げています。資料1と資料10も、顔かたちが良いという意味の「貌佳草(カオヨグサ)」を別名として書いています。精選版日本国語大辞典は、平安時代初めの漢詩集『文華秀麗集』(818年)に芍薬の花を詠んだ例を挙げています。
日本の芍薬の記録(日本大百科全書から)
733年 『出雲国風土記』に芍薬の名が初めて出ます。山野の草として挙がっていて、自生のヤマシャクヤクと推定されています。
931〜938年ころ 『倭名類聚抄』に薬草「衣比須久須理」として載ります。
1695年 『花壇地錦抄』が56品種を解説し、60の品種名を挙げます。江戸時代の代表的な花の1つになりました。
英名ピオニーは医神パイオンから
世界大百科事典は、英名 peony と属名 Paeonia が、ギリシア神話の医神パイオンに由来すると書いています。
【公式仕様】改訂新版 世界大百科事典(荒俣宏)によると、西洋では古代ギリシアから中世にかけて、芍薬は大きな効き目をもつ薬草として尊ばれました。医神パイオンは、のちに医神アスクレピオスとも混同され、芍薬の根で神々の傷を癒やしたという伝承が生まれた、と書いています。資料5と資料8も、英名がパイオン(パイエオン)に由来すると書いています。
シャクヤクは何月何日の誕生花か
日付を書く資料4本のうち、2月8日・5月14日・7月24日が3本ずつで、5月2日・5月18日が2本です。
【実測】資料10本のうち、誕生花の日付を書いているのは資料1・4・8・9の4本でした。資料6と資料10は「5月の誕生花」と書くだけで、日付は挙げていません。資料8は12の日付を挙げていて、1本だけの日付はすべて資料8のものです。
| 日付 | 挙げる本数(日付を書く4本中) | 資料の番号 |
|---|---|---|
| 2月8日 | 3本 | 1・4・8 |
| 5月14日 | 3本 | 1・4・8 |
| 7月24日 | 3本 | 1・4・8 |
| 5月2日 | 2本 | 8・9 |
| 5月18日 | 2本 | 8・9 |
| 4月17日・4月24日・5月8日・5月13日・5月19日・5月24日・6月16日 | 1本ずつ | 8 |
【実測】花しるべの誕生花のページでは、6月16日と5月24日の誕生花に芍薬を当てています。どの日付が正しいという決まりはないため、花しるべは資料ごとに割れていることをそのまま表に出しています。日付から花を探すときは誕生花の一覧から入れます。
芍薬を花束で贈るときの色の選び方
前向きな語は白・ピンク・赤に当たり、資料が気をつけるよう書くのは紫だけです。
【実測】資料1・4・6・8・9・10の6本は、紫の「怒り」「憤怒」を、贈るときに気をつける点として挙げています。資料7は、色は相手の好きな色や雰囲気に合わせて選べばよく、贈りたい気持ちを大事にするよう答えています。資料6は、鉢植えは「根付く」が「寝付く」に通じるとしてお見舞いでは避けられると書いていて、気をつけるのは色よりも形のほうだという書き方です。
芍薬を花束にして贈るなら、合わせる花と束ね方を先に決めます。→ 花束の意味とブーケとの違い|シーン別の選び方
照合した資料10本と、この記事の調べ方
検索で返った上位の記事10本を資料にし、語ごとに載っている本数を数え、植物の事実は辞書から取りました。
選び方は、2026年10月19日に「シャクヤク花言葉」でGoogle検索して返った上位8件のうちWebページ6件(X投稿1件と、メンテナンス中で開けなかった花キューピットの1件を除く)に、「芍薬 花言葉 怖い」1位のAll About・3位のHanaPrimeと、「芍薬 花言葉 色別」4位のハナ・6位のminneを足した10件です。すべてWebの資料で、書籍は含みません。
| 番号 | 資料(2026年10月19日に照合) |
|---|---|
| 資料1 | AND PLANTS andplants.jp |
| 資料2 | 日比谷花壇 hibiyakadan.com |
| 資料3 | FLOWR flowr.is |
| 資料4 | 花百花 hanahyakka.com |
| 資料5 | 陽花園 youkaen-store.com |
| 資料6 | フラワースミスマーケット flowersmithmarket.com |
| 資料7 | All About allabout.co.jp |
| 資料8 | HanaPrime hanaprime.jp |
| 資料9 | ハナ hana.hn |
| 資料10 | minne minne.com |
10本の本文に、花言葉の原典の書名は1件も出てきませんでした。だから花しるべは、英語の花言葉の本2冊を全文で検索し、植物の事実は日本大百科全書・世界大百科事典などの辞書と百科で確かめました(参考情報に一覧)。
シャクヤクのよくある質問
Q. シャクヤクの花言葉は何ですか。
A. 資料10本すべてが「恥じらい」と「はにかみ」を載せ、「誠実」「幸せな結婚」が9本、「怒り」が8本です。色の語まで数えると、1本だけの語を合わせて15語が出てきました。本数で意味が変わるかについては、資料9が、芍薬そのものには本数別の花言葉はないと書いていて、本数別の語を載せる資料は10本にありませんでした。
Q. 芍薬を贈るのは縁起が悪いですか。
A. 縁起が悪いと書く資料は10本にありませんでした。気をつける点として挙がるのは、紫の「怒り」「憤怒」と、お見舞いの鉢植えの2つです。英語版Wikipediaによると、中国では芍薬は別れの際に、再会の約束として贈られることが多かったといいます。
Q. 白い芍薬とピンクの芍薬で花言葉は違いますか。
A. 違います。白は「幸せな結婚」が9本、ピンクは「恥じらい」「はにかみ」が8本です。ただし資料7・8・9・10の4本は、白にも「恥じらい」「はにかみ」を重ねています。白とピンクが混ざるボウル・オブ・ビューティーのような2色の花を、どちらの色の語で読むかを書いた資料は10本にありませんでした。
Q. 芍薬と牡丹は同じ花ですか。
A. 同じボタン属ですが、芍薬は草、ボタンは木で、別の植物です。中国では牡丹を「花王」、芍薬を「花相」(花の宰相)と呼び分けてきました。牡丹の苗は芍薬を台木にして接ぎ木したものが流通している、とWikipedia日本語版は書いています。
Q. 芍薬は何月の花ですか。
A. 花期は5月上旬から6月で、ボタンより少し遅く咲きます。誕生花としては、日付を書く資料4本のうち3本が2月8日・5月14日・7月24日を挙げ、花しるべは6月16日と5月24日の誕生花に芍薬を当てています。百科事典マイペディアによると、中国では宋代に3万余りの品種があったといわれます。
Q. 日本の山に咲く芍薬はありますか。
A. ヤマシャクヤクが、関東地方より西の本州から九州の林に自生しています。日本大百科全書によると、4〜6月に径約5cmの白い花を1輪ずつ上向きに開き、花びらは半開きのまま止まります。園芸の芍薬は中国などに分布する別の種で、ヤマシャクヤクより全体が大きく、葉につやがあります。
まとめ
芍薬の花言葉は「恥じらい」「はにかみ」が10本すべてにあり、色で語が分かれる花でした。
花しるべの考え:芍薬は「恥じらいと怒りの両方が、19世紀の英語の本にさかのぼれる花」
1つ目の段 花言葉は「恥じらい」「はにかみ」が10本、「誠実」「幸せな結婚」が9本。「恥じらい」は1884年の Shame・Bashfulness、紫の「怒り」は1851年の Anger と重なります。
2つ目の段 白は「幸せな結婚」、ピンクは「恥じらい」「はにかみ」、赤は「誠実」、紫は「怒り」でよくそろいます。黄色とオレンジに語を当てる資料はありません。
3つ目の段 「夕方に閉じる」由来、名前の由来、誕生花の日付は、資料で割れたり辞書で確かめられなかったりします。花しるべはどれか1つに決めず、確かめられた範囲を書きます。
ほかの花の語と資料の厚みを比べるなら花言葉一覧(花の名前から探す)から入れます。意味・色・誕生日から探すときは、本文中の各一覧から入れます。
参考情報
- AND PLANTS「シャクヤク(芍薬)の花言葉|色別の花言葉や誕生花、名前の由来」 https://andplants.jp/blogs/magazine/peony_hanakotoba
- 日比谷花壇「シャクヤク(芍薬)の花言葉は?種類や色別のおすすめ、特徴を解説」 https://www.hibiyakadan.com/item/LIFESTYLE_Z_0116.html
- FLOWR「芍薬の花言葉は『恥じらい』『はにかみ』!」 https://flowr.is/articles/84
- 花百花「芍薬(シャクヤク)の花言葉を色別に解説!」 https://hanahyakka.com/Form/Story/hana-shurui/shaku-yaku/shaku-yaku-hana-kotoba
- 陽花園「芍薬の花言葉を深掘り!」 https://youkaen-store.com/blogs/column/column_peony_01
- フラワースミスマーケット「芍薬の花言葉を全解説!」 https://flowersmithmarket.com/shop/pg/1shakuyaku-hanakotoba/
- All About「『芍薬』を贈りたいのですが、“怖い花言葉”もあるって本当ですか?」 https://allabout.co.jp/gm/gc/503702/
- HanaPrime「シャクヤク(芍薬)の花言葉と風水」 https://hanaprime.jp/language-flower/peony/
- ハナ「プレゼントに人気な芍薬(シャクヤク)の日持ちや色別の花言葉」 https://www.hana.hn/usefulinfo/detail/63
- minne「芍薬の花言葉|色別の意味や由来」 https://minne.com/mag/articles/3172
- コトバンク「シャクヤク」(日本大百科全書・改訂新版 世界大百科事典・百科事典マイペディア・ブリタニカ国際大百科事典) https://kotobank.jp/word/しゃくやく-2827256
- コトバンク「芍薬」(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典) https://kotobank.jp/word/芍薬-524984
- コトバンク「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」(デジタル大辞泉・ことわざを知る辞典) https://kotobank.jp/word/立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花-561157
- コトバンク「ヤマシャクヤク」(日本大百科全書) https://kotobank.jp/word/やましゃくやく-3173793
- Wikipedia日本語版「シャクヤク」 https://ja.wikipedia.org/wiki/シャクヤク
- Wikipedia日本語版「ボタン (植物)」 https://ja.wikipedia.org/wiki/ボタン_(植物)
- Wikipedia英語版「Paeonia lactiflora」 https://en.wikipedia.org/wiki/Paeonia_lactiflora
- Wikipedia英語版「Peony」 https://en.wikipedia.org/wiki/Peony
- Project Gutenberg「Language of Flowers」(Kate Greenaway, 1884) https://www.gutenberg.org/cache/epub/31591/pg31591.txt
- Project Gutenberg「The Language of Flowers」(Henrietta Dumont, 1851) https://www.gutenberg.org/cache/epub/71779/pg71779.txt

