別れの花言葉を持つ花|送別で贈ってよい花と避ける花

別れの花言葉を持つ花|送別で贈ってよい花と避ける花

別れの場面で花を贈りたいと調べると、「別離」「別れ」という花言葉が出てきて手が止まります。縁起が悪いのではないか、そもそも別れに花を贈っていいのか。ここが最初の迷いです。花しるべの資料で別れにあたる語を確認できたのは二十三種でしたが、「別れ」と書いてある花は五種しかなく、そのうち花屋で買えるのは一種だけでした。このページでは二十三種を出したうえで、別れ・また会う・忘れないの三つに分け、卒業や送別、死別の場面ごとに何を選ぶかまで整理します。

この記事でわかること

  • 別れの花言葉は二十三種で確認できた: スイートピー、ミヤコワスレ、ワスレナグサ、シオンなど。ただし「別れ」と書いてあるのは五種です。
  • 買えるのはスイートピーだけ: 別れの語を持つ五種のうち、切花としての流通を確認できるのはスイートピー一種です。
  • 別離は、別れの場面では正しい語になります: 同じ花が、贈る場面によって最大のタブーにも唯一の正解にもなります。
  • 「別れ花」は花言葉ではありません: 出棺前に棺へ花を手向ける儀式(花入れの儀)の呼び名で、意味から花を選ぶ場面ではありません。

結論:別れの花言葉は二十三種、送別に選べるのはスイートピー

資料で別れにあたる語を確認できた花は二十三種ですが、「別れ」の語を持ち、なおかつ花屋で買えるのはスイートピーだけです。

花しるべの花データから、花言葉に「別れ」「別離」「旅立ち」「門出」「また会う」「再会」「思い出」「追憶」「忘れない」を含むものを機械で抜き出すと二十三種になります。ただし、そのうち切花や鉢としての形態まで確認できているのは五種だけで、切花に限れば三種です。一覧は作れても、そのまま花束にできる花はほとんど残りません。これは希望の花言葉を持つ花で応援の花が三種しかなかったのと同じ形で、意味から花を探すときに繰り返し起きることです。

スイートピーは「別離」を持つが、別れの場面では正解になる

スイートピーの花言葉は「門出・別離・ほのかな喜び・優しい思い出」で、別離を持つからこそ、別れの場面では正しい語になります。

花しるべの花データでは、スイートピーの忌避タグは「贈答注意・別れ」です。怖い花言葉一覧の表にも載せています。ところが流通月は一月・二月・三月・十二月で、卒業式、異動の内示、年度替わりに正確に重なります。贈ってはいけない花としてタグを付けた花が、別れの場面では唯一買える花になります。これは矛盾ではなく、花言葉が「どの場面で読むか」を含んでいないから起きるずれです。誕生日に別離の花を渡せば事故ですが、送り出す場面で別離の花を渡すのは、言葉と場面が一致しています。縁起が悪いから避ける、と機械的に決めず、その別れが門出なのかどうかで判断してください。

ミヤコワスレは別れと再会を同時に持つ

ミヤコワスレの花言葉は「別れ・しばしの憩い・また会う日まで」で、二十三種のなかで別れと再会を一種で持つ唯一の花です。

承久の乱で佐渡へ流された順徳天皇が、この花を見て都への思いをしばし忘れることができたという逸話が名前の由来とされています。別れを認めたうえで、また会う日を約す。この記事の主題そのものを一種で持っている花です。ただし花しるべの花データでは形態も流通月も空で、花屋で名前を指定して買える花ではありません。山野草として鉢で出回ることはありますが、送別の花束に入れられる花とは考えないでください。意味だけを借りて、贈るときに一言添えるほうが現実的です。

別れの花言葉を持つ花 二十三種

二十三種はいずれも複数の資料で意味が一致した花で、花しるべが独自に付けた提案は含んでいません。

花 別れにあたる語 同時に持つ花言葉 贈答での扱い
スイートピー門出・別離ほのかな喜び・優しい思い出切花・1〜3月と12月/贈答注意
タンポポ別離愛の神託・神託・真心の愛贈答注意/形態は未確認
ミヤコワスレ別れ・また会う日までしばしの憩い形態は未確認
キンセンカ別れの悲しみ失望・寂しさ・献身形態は未確認
イカリソウ旅立ち君を離さない形態は未確認
ネリネまた会う日を楽しみに忍耐・箱入り娘・幸せな思い出形態は未確認
サネカズラ再会好機をつかむ形態は未確認
ヒガンバナ再会情熱・独立・あきらめ形態は未確認
ワスレナグサ私を忘れないで真実の愛鉢・3〜6月
シオン君を忘れない・あなたを忘れない・追憶—形態は未確認
シランあなたを忘れない変わらぬ愛・楽しい語らい形態は未確認
アスター追憶変化・同感・信じる恋形態は未確認
クリスマスローズ追憶慰め・私の不安をやわらげて・中傷切花・12〜4月
ノコンギク忘れられない想い守護・長寿と幸福形態は未確認
ハハコグサ忘れない無償の愛・温かい気持ち形態は未確認
ライラック思い出友情・謙虚(紫=恋の芽生え・初恋/白=青春の喜び)切花・4月
カランコエたくさんの小さな思い出幸福を告げる・あなたを守る・おおらかな心鉢・通年
ユーカリ思い出新生・再生形態は未確認
エーデルワイス大切な思い出勇気・忍耐形態は未確認
カエデ大切な思い出美しい変化・遠慮形態は未確認
ニチニチソウ楽しい思い出生涯の友情・優しさ・友情形態は未確認
ミズバショウ美しい思い出—形態は未確認
フクジュソウ悲しき思い出幸せを招く・永久の幸福形態は未確認

この一覧の作り方について: 花しるべの花データから、花言葉に「別れ」「別離」「旅立ち」「門出」「また会う」「再会」「思い出」「追憶」「忘れない」を含むものを機械で抽出しました。人が選んで足したものはありません。花しるべが独自に付けた提案の語は、典拠ではないためこの表に入れていません。ひとつの資料にしか出てこない意味も採っていません。「形態は未確認」は、花しるべのデータに切花や鉢としての流通が入っていないという意味で、手に入らないという意味ではありません。なお、キンモクセイの「忘れられない記憶」はよく別れの花として挙げられますが、これは花しるべの提案であって典拠ではないため、この二十三種には入れていません。

同じ別れでも三つの向きに分かれる

二十三種は、別れそのものを指す五種、また会うことを指す四種、忘れないことを指す十七種に分かれます。

数を見ればわかるとおり、日本語の花言葉は、別れそのものより「別れたあとどうするか」に語を割いています。だから花を選ぶ前に決めることは一つで、その人ともう一度会うかどうかです。会うなら②、会わないなら③を選べば、種類は自然に絞れます。なお十七種には、スイートピーとネリネが重複して入っています。どちらも「思い出」を同時に持つためです。

向き 種数 どういう語か 代表する花
①別れそのもの5種別離・旅立ち・門出。送り出す側が使う語スイートピー・ミヤコワスレ・タンポポ
②また会う4種再会・また会う日まで。関係が続く前提の語ミヤコワスレ・ネリネ・サネカズラ
③忘れない17種思い出・追憶・あなたを忘れない。記憶に残す語ワスレナグサ・シオン・ライラック

「別れ」と書いてある花|五種

スイートピー、タンポポ、ミヤコワスレ、キンセンカ、イカリソウの五種がこの向きです。

資料に別れ・別離・旅立ち・門出の語がそのまま載っているのはこの五種だけで、意味の説明をしなくても伝わります。ただし花しるべの花データで流通が入っているのはスイートピーだけです。タンポポは忌避タグに「贈答注意・別れ」が付いていて、そもそも贈る花として扱われません。キンセンカは「失望」を同時に持つので送別には向きません。失望は送り出す語ではなく、送られる側を評価する語だからです。イカリソウの「旅立ち」は語として強いのですが、山野草で花束には入りません。

「また会う」で当たる花|四種

ミヤコワスレ、ネリネ、サネカズラ、ヒガンバナの四種が、関係が続く前提の語を持ちます。

ネリネは「また会う日を楽しみに」、サネカズラは「再会」、ミヤコワスレは「また会う日まで」です。転勤や異動のように、また会う可能性が残っている別れではこの向きが合います。四種とも流通は確認できていないので、実際には語だけを借りて、花そのものは色や季節で選ぶことになります。

ヒガンバナも「再会」を持ちますが、この記事では選びません。理由は花言葉ではなく、咲く場所と時期です。資料にある花言葉は「情熱・独立・あきらめ・再会」で、死や不吉を指す語は載っていません。それでもお彼岸の時期に墓地の周りで咲く花なので、受け取る側に別の連想を持たれます。花言葉として問題があるわけではないという点は怖い花言葉一覧で詳しく書いていますが、送別で渡す花としては説明が要るぶん向きません。

「忘れない」で当たる花|十七種

別れの花言葉はこの向きに最も多く集まっていて、そのなかに買える花もあります。

ワスレナグサの「私を忘れないで」、シオンの「君を忘れない・追憶」、シランの「あなたを忘れない」が語として直球です。二十三種のうち流通の形態まで確認できる五種は、スイートピーを除くと全部この向きにあります。切花のライラック(四月・「思い出」)とクリスマスローズ(十二月から四月・「追憶」)、鉢のワスレナグサ(三月から六月)とカランコエ(通年・「たくさんの小さな思い出」)です。別れの語にこだわらなければ、贈れる花はここで見つかります。ライラックは紫の花としても選べて、紫は花色そのものが落ち着いた場面に合います。

一方でフクジュソウの「悲しき思い出」のように、思い出の側に負の形容が付いている花もあります。友情の花言葉を持つ花と重なるニチニチソウ(楽しい思い出・生涯の友情)やライラックは、送別と友情のどちらでも読めるので、同僚や同級生への贈り物では扱いやすい花です。

場面ごとに何を選ぶか

花の名前より先に、その人ともう一度会うかどうかと、贈る月を決めてください。別れの花は季節の幅が狭いためです。

この二つを決めるだけで、選択肢はほとんど残りません。逆に言えば、種類から入ると決まらない場面です。

場面 選ぶ向き 具体的に 外すもの
卒業・進学(2〜3月)①別れそのものスイートピー。流通月がそのまま重なるキンセンカ(失望を同時に持つ)
転勤・異動(また会う)②また会うネリネ・サネカズラ。買えないので語だけ借りる別離だけを持つタンポポ
退職・送別(もう会わない)③忘れないライラック(4月)・カランコエ(通年・鉢)持ち帰れない大きな花束
死別・お別れの会③忘れないシオン・アスターの「追憶」花言葉で押し切ること
引っ越し・見送り②または③ワスレナグサ(3〜6月・鉢)鉢を避ける場面なら切花のクリスマスローズ

卒業・進学|三月ならスイートピー

二月から三月に贈るならスイートピーで、流通月がそのまま卒業式と重なり、意味も「門出」で合います。

スイートピーは「門出」を持ち、この場面では別離もそのまま門出の意味で読めます。色は自由に選んで構いません。卒業で贈られた側が覚えているのは、花の種類より色と誰からもらったかです。意味を説明しなくても場面が説明してくれるので、この場面に限っては花言葉を伝える必要もありません。四月まで待てるならライラックも切花で出ます。

転勤・異動・退職|また会うかどうかで向きを変える

また会う可能性があるなら②の向き、その職場で終わるなら③の向きを選んでください。

②の花は買えないので、実際には「また会う日を楽しみに」という語をカードに書いて、花はその月に出ているものから選ぶことになります。③なら四月のライラック、通年ならカランコエの鉢が実際に手に入ります。ただしこの場面でいちばん外すのは、花の種類ではありません。大きな花束は、その日のうちに持ち帰る負担が大きいものです。電車で立って帰る人、そのまま送別会に行く人、家に花瓶がない人がいます。花束そのものが負担だったという声も見かけます。小さくまとめる、花瓶付きにする、帰り際に渡す。そのほうが花言葉を合わせるより効きます。

死別・お別れの会|花言葉より慣習が先に立つ

永遠の別れの場面では、シオンやアスターの「追憶」が語として合いますが、供花の慣習が花言葉より優先します。

葬儀や法要で供える花は、宗派、式場の指定、喪主の意向で決まります。この場面で花言葉を持ち出すと、遺族に選び直しを迫ることになります。意味で選ぶのは、供花とは別に個人で手向けるときだけにしてください。シオンは「君を忘れない」を持ち、追憶の語がこの場面にいちばん近い花です。その場合も、意味を説明せずにそっと置くのが収まります。ユリや白菊のように、慣習の側で受け入れられている花を選べば、意味の説明は要りません。

「別れ花」「お別れ花」は花言葉ではなく葬儀の儀式です

別れ花とは、出棺の前に参列者が棺へ花を手向ける儀式(花入れの儀)で使う花のことで、花言葉の話ではありません。

最期のお別れに捧げる花なので「別れ花」と呼ばれます。この儀式そのものには宗教的な意味がなく、仏式・神式・キリスト教式を問わず行われています。使われるのは菊、ユリ、蘭、カーネーションなどで、白を中心に、近年は淡いピンクや紫も使われます。多くの場合は祭壇に飾られていた供花を切り分けて配るので、参列者が花の種類を選ぶ場面ではありません。持ち込みができるかどうかは葬儀社と式場によります。

つまり「別れ花」で調べて花言葉の一覧にたどり着いた場合、探しているものが違っている可能性があります。儀式の作法を知りたいなら葬儀社の案内を、送別で贈る花を選びたいならこのページの上の一覧を見てください。同じ「別れ」の語ですが、二つは別のことを指しています。

別れの場面で避けたほうがよい渡し方

避けるべきなのは花の種類より渡し方で、持ち帰れない花束がいちばん外します。

別れの場面は、受け取った人がそのまま移動する場面でもあります。大きな花束、重い鉢植え、香りの強い花は、この日に限っては負担になります。ラッピングの大きいものは電車で持ちにくく、そのあと予定が入っていれば置き場所にも困ります。意味の合った花を大きく作るより、意味が少しずれても小さく作るほうが喜ばれます。

種類として気をつけるのは、送られる側を評価する語を持つ花です。キンセンカの「失望」やラベンダーの「不信感・疑惑」のように、送別の場では別の読まれ方をする語があります。怖い花言葉一覧で外す花を確かめてから、上の一覧に戻ってください。反対に、鉢植えは「根付く」に通じるので新しい職場への異動には向く、という考え方もあります。お見舞いでは避けられる鉢が、異動では向きます。同じ花が場面で反転するのは、別れの花言葉ではむしろふつうのことです。

別れの花言葉のよくある質問

Q. 「出会えてよかった」という花言葉はありますか。

A. 花しるべの資料では確認できませんでした。この意味で実際に使われているのは、バラを五本贈るという本数の意味づけで、五本のバラは「あなたに出会えて心から嬉しい」を表すとされています。これは花言葉ではなく本数の慣習です。花言葉で近いものを探すなら、ネリネの「幸せな思い出」やニチニチソウの「楽しい思い出」が向きとしては合います。

Q. スイートピーは別れの意味だから縁起が悪いのでは。

A. 場面によります。誕生日や記念日のような、関係が続く場面で別離の花を渡せば意味が合いません。一方で卒業や送別は別れの場面なので、「門出」も「別離」もその場に合った語です。花しるべが花データでスイートピーに「贈答注意」を付けているのは、場面を選ばずに贈られやすい花だからで、送別で使ってはいけないという意味ではありません。

Q. 「別れ花」と「別れの花言葉」は違うものですか。

A. 別のものです。別れ花は出棺前に棺へ花を手向ける儀式(花入れの儀)の呼び名で、菊やユリなど、その場で用意された花を使います。別れの花言葉は、送別や卒業で贈る花を意味から選ぶ話です。検索では同じ言葉に見えますが、場面も選び方も重なりません。

Q. ヒガンバナは「再会」を持つのに、なぜ選ばないのですか。

A. 花言葉に問題があるからではありません。資料にある花言葉は「情熱・独立・あきらめ・再会」で、死や不吉を指す語は載っていません。ただ、お彼岸の時期に墓地の周りで咲くため、受け取る側に別の連想を持たれます。意味は合っていても説明が必要になる花なので、送別では選びにくいというだけです。

Q. 花言葉に公式のものはありますか。

A. 花言葉を認定する機関はありません。花しるべは、どの意味がどの資料で確認できるかを整理する立場を取っています。このページの二十三種は、いずれも複数の資料で一致した意味です。

別れの花は季節の幅が狭く、二月から四月に集まっています。時期が合わないときは、意味から探すより場面から選び直すほうが早く決まります。予算と渡し方を先に決めておくと、花屋で相談するときにも話が早く進みます。

贈る場面から花を選ぶ

参考情報

  • 花しるべ 花言葉マスター v03(色別・品種別の花言葉。複数資料の一致をもって典拠ありとしたもの)
  • 花しるべ 花言葉編集規程 v03(典拠あり/諸説あり/花しるべの提案/未確認の四区分)
  • 一般社団法人 花の国日本協議会「はじめて花言葉辞典」(色別の花言葉)

意味から花を探すときは意味から花を探す、名前から探すときは花言葉一覧をご覧ください。希望の花言葉を持つ花、友情の花言葉を持つ花、幸せ・幸福の花言葉を持つ花もあわせてどうぞ。