プロポーズの花束|本数・予算・渡し方
プロポーズの花束とは、結婚を申し込む場面で相手に渡す花のことで、日本では赤いバラが選ばれることがほとんどです。ただし実際に迷うのは花の種類ではなく、何本にするか、いくらかかるか、当日どう渡すかの三つです。この記事では、業界団体の資料で確認できるバラの本数の意味を整理したうえで、値段の決まり方と当日の段取りまでを扱います。
この記事でわかること
- 意味を決めているのは本数: 十二本は「付き合ってください」、百八本は「結婚してください」です。本数に意味が付くのはバラだけです。
- 値段は花の種類より本数: 大きな花束は店頭の在庫では作れず取り寄せになるため、一週間前までの注文が要ります。
- 当日の山場は渡す前の数時間: 生花は思っているより早く傷みます。朝に受け取って夜まで持ち歩く段取りは避けます。
結論:決めるのは本数と色と形の三つ
プロポーズの花で決めることは、本数と色、そして生花かプリザーブドフラワーかの三つだけです。
花屋に相談するとき、この三つが決まっていれば残りは店が形にしてくれます。逆にこの三つが決まっていないと、店頭で花を見ながら決めることになり、時間がかかるうえに希望の本数が在庫にない、ということが起こります。
花の種類から決めなくてよい
花の種類から決める必要はなく、種類はバラかそれ以外かという分かれ方で足ります。
プロポーズで使われる花のほとんどはバラです。相手がバラを好まない場合だけ別の花を検討すればよく、最初から品種を調べる必要はありません。品種によって値段は変わりますが、意味は変わりません。
迷ったら赤いバラの十二本か百八本
迷った場合は赤いバラを選び、本数は十二本か百八本のどちらかにすると外しません。
この二つは意味がはっきりしており、花屋の側も慣れています。「プロポーズ用に赤いバラを十二本」と伝えれば、それだけで話が通じます。本数にこだわらない場合は、予算だけを伝えて本数を店に任せて構いません。
バラの本数で意味が変わる
バラは本数ごとに意味を持っており、プロポーズで使われるのはほとんどが十二本か百八本です。
この慣習はバラに限られたもので、ほかの花には当てはまりません。以下は一般社団法人 花の国日本協議会が運営する「はじめて花言葉辞典」に掲載されている内容から、プロポーズで使われることの多い本数を抜き出したものです。
| 本数 | 意味 | プロポーズでの使われ方 |
|---|---|---|
| 1本 | 一目惚れ | 荷物を増やしたくない場面 |
| 3本 | 愛しています・告白 | 気負わずに渡したいとき |
| 9本 | いつまでも一緒にいてください | 意味を重ねたいとき |
| 12本 | 付き合ってください | ダズンローズ。最も扱いやすい |
| 99本 | 永遠の愛 | 百八本ほど大きくならない |
| 108本 | 結婚してください | 最も知られた本数。要予約 |
| 999本 | 何度生まれ変わってもあなたを愛します | 現実には特注になる |
ここに挙げたのは一部で、一本から九百九十九本までの全一覧はバラの花言葉にまとめています。以下、プロポーズで実際に選ばれる二つの本数を補足します。
十二本はダズンローズ
十二本のバラはダズンローズと呼ばれ、「付き合ってください」という意味を持ちます。
一本ずつに誓いの言葉が割り当てられているという考え方があり、感謝、誠実、幸福、信頼、希望、愛情、情熱、真実、尊敬、栄光、努力、永遠の十二語が対応します。受け取る側にとっては百八本より扱いやすい本数で、片手で持てる大きさに収まり、持ち帰りにも困りません。
百八本は結婚してください
百八本のバラには「結婚してください」という意味があり、プロポーズでは最も知られています。
ただし由来は確定していません。「一生一世」という語呂に由来するという説や、煩悩の数に由来するという説がありますが、どちらも確かめられる一次資料が見当たりません。意味そのものは広く共有されていますが、由来を断定して語らないほうが誠実でしょう。大きさ、値段、持ち帰りのすべてが十二本とは別物になるため、検討しているなら108本のバラの意味を先にご覧ください。
本数は多いほどよいわけではない
本数は多いほどよいというものではなく、相手の暮らしに合うかどうかで決めます。
相手が花を飾る習慣を持っていない場合、抱えるほどの花束はかえって負担になります。飾る場所があるか、持ち帰る道のりが長くないか、そのあと人と会う予定がないか。本数の意味と相手の事情のどちらを優先するかは、先に決めておいてください。
色は赤が基本
プロポーズで最も選ばれるのは赤いバラで、意味は「あなたを愛してます」「情熱」です。
ほかの色を選んでも構いませんが、色によって伝わる意味は変わります。以下はバラの色ごとの花言葉と、プロポーズでの向き不向きです。
| 色 | 花言葉 | プロポーズでの向き |
|---|---|---|
| 赤 | あなたを愛してます/情熱 | 最も選ばれる |
| 白 | 深い尊敬/私はあなたにふさわしい | 赤と混ぜて使われる |
| ピンク | 感謝/温かい心 | 長く一緒にいた相手へ |
| 青 | 夢かなう | 取り寄せに日数がかかる |
| 黄 | 友情/ジェラシー | 主役にしないほうがよい |
この五色は典拠のある範囲です。色から他の花も見たい場合は青い花から探すのように色別の一覧をご利用ください。以下、判断の分かれる二色を補足します。
黄色は主役にしない
黄色いバラには友情と嫉妬の両方の意味があるため、プロポーズでは主役にしません。
どちらが本来の意味かという議論に決着は付いておらず、両方が同時に紹介されている状態が続いています。友人へ贈るなら問題になりませんが、結婚を申し込む場で「友情」と受け取られる可能性のある色を選ぶ理由は薄いでしょう。相手が黄色を好む場合は、赤や白を主役にして差し色として使う方法があります。
青いバラを選ぶとき
青いバラの花言葉は「夢かなう」で、意味としてはプロポーズによく合います。
青いバラは自然界に存在せず、長く不可能の象徴とされていました。それが品種改良で実現した経緯から、この意味が付いています。ただし扱う花屋が限られ、取り寄せに日数がかかるため、当日に思い立って買える花ではありません。詳しくは青いバラの花言葉と赤いバラの花言葉で扱っています。
バラ以外の花を選ぶとき
バラ以外の花を選んでも構いませんが、本数に意味が付く慣習があるのはバラだけです。
相手がバラを好まない場合や、二人にとって意味のある花がある場合は、そちらを選んで問題ありません。以下は、プロポーズで選ばれることのある花と、その意味の出典の状態です。
| 花 | 花言葉 | 出典の状態 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| ヒマワリ | あなただけを見つめる | 典拠あり | 夏。屋外で渡すとき |
| カスミソウ | 清らかな心などとされる | 確認中 | 軽く、持ち帰りやすい |
| トルコキキョウ | 優美などとされる | 確認中 | バラに似た形。日持ちする |
| チューリップ | 愛の告白などとされる | 確認中 | 春。色数が多い |
| ガーベラ | 前向きなどとされる | 確認中 | 明るい印象にしたいとき |
「確認中」は、その意味が広く言われてはいるものの、花しるべがまだ一次資料で確認できていないという意味です。花の名前から探したい場合は花言葉一覧、意味から探したい場合は意味から花を探すをご覧ください。
バラ以外に本数の意味はない
本数の慣習はバラに限られており、ほかの花を十二本にしても意味は生まれません。
ヒマワリを十二本にしても「付き合ってください」の意味は付きません。バラ以外を選ぶ場合、本数は予算と見栄えで決めて構いません。一本だけを渡す形も、束にする形も、どちらも成立します。
二人にとって意味のある花を選ぶ
出会った場所に咲いていた花など、二人の記憶に紐づく花は花言葉より強く働きます。
花言葉は歴史的に、育種した会社や売る側が後から付け足してきたものです。公式に認定する機関は存在しません。相手が覚えている花があるなら、辞典の意味より優先してよい理由がここにあります。
生花とプリザーブドフラワーの違い
その場の華やかさなら生花、手元に長く残したいならプリザーブドフラワーが向いています。
プリザーブドフラワーは、生花を加工して長期保存できるようにしたものです。両者は見た目が近いわりに、当日の扱いと後の残り方がまったく違います。
| 項目 | 生花 | プリザーブドフラワー |
|---|---|---|
| 見栄え | その場の華やかさは上。香りがある | 自然に見えるが香りはない |
| 日持ち | 一週間ほど | 年単位で残る |
| 手入れ | 水替えが要る | 不要。高温多湿と直射日光に弱い |
| 大きさ | 本数を増やせる | ケース入りが多く限りがある |
| 前日の準備 | しおれる。当日受け取りが基本 | 前日に受け取っておける |
百八本のような大きな花束は、プリザーブドフラワーでは現実的ではありません。両方を選ぶ方法もあり、当日は生花で渡し、あとから一本を加工して残す形が取られています。
生花を選んだ場合に決めること
生花を選ぶなら、受け取る時間と渡すまでの置き場所を先に決めておきます。
花そのものより、受け取ってから渡すまでの数時間で状態が決まります。移動が長い、屋外で待つ時間がある、といった条件が分かっているなら、注文時に花屋へ伝えておくと包み方を変えてもらえます。
プリザーブドフラワーを選んだ場合に決めること
プリザーブドフラワーを選ぶなら、飾る場所と大きさを相手の生活から逆算します。
年単位で残るということは、置き場所を長く占めるということでもあります。ケース入りのものは棚に置ける大きさかどうかで選ぶと失敗しません。高温多湿を嫌うため、浴室の近くや直射日光の当たる窓辺は避ける必要があります。
値段は本数で決まる
花束の値段は花の種類ではなく本数でほぼ決まり、時期と茎の長さでも上下します。
バラ一本あたりの単価に本数を掛けたものが、おおよその中心になります。同じ金額でも、時期によって作れる花束の大きさは変わります。
値段を動かす三つの要素
値段を動かすのは本数、時期、茎の長さと品種の三つで、最も効くのは本数です。
十二月から二月、母の日の前後、卒業のシーズンは花全体が高くなります。茎の長い高級品種を選ぶと、同じ本数でも金額は大きく変わります。花の種類そのものによる差は、この三つに比べれば小さいものです。
大きな花束は一週間前に注文する
百八本のような大きな花束は店頭の在庫では作れず、一週間前までの注文が要ります。
取り寄せになるためです。当日や前日の注文では、本数が揃わないか、揃っても希望の色にならないことがあります。十二本程度なら数日前で間に合うことが多いものの、色を指定するなら早いほうが確実です。
予算だけを伝える頼み方
本数にこだわらないなら、予算だけを伝えて中身を花屋に任せるほうが良い結果になります。
時期によって同じ金額でできることが変わるためです。本数に意味を込めたい場合だけ、本数を先に伝えてください。なお花しるべは花の販売を行っておらず、実売価格は店舗、時期、地域で大きく変わります。金額は注文先の花屋にご確認ください。
本数と色と形が決まったら、あとは注文条件の確認です。イーフローラは全国の加盟花屋のネットワークで、お届け先を選ぶと配送できる店だけが出ます。
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指輪以外に何を渡すか
指輪を用意していなくても問題はなく、花束と言葉だけでプロポーズは成立します。
婚約指輪を後日いっしょに選びたい場合、当日は花束だけという形はよく取られています。順番を分けることには理由もあります。
花だけでプロポーズしてよい
花束だけで申し込んで構わず、指輪を後日ふたりで選ぶ順番のほうが失敗しにくくなります。
指輪を先に用意すると、サイズと好みを外す可能性が残ります。花束を渡してその場で気持ちを伝え、指輪は後日いっしょに選ぶ。この順番なら、選び直しの気まずさが起きません。
花と一緒に渡されるもの
花と一緒に渡されることが多いのは手紙で、花がしおれたあとも手元に残ります。
ネックレスや時計は、指輪と違ってサイズの問題が起きにくい品です。花束とは別に、手元に残るものとしてプリザーブドフラワーを添える形もあります。何も足さず、言葉と花だけで渡す形でも足りないということはありません。
逆プロポーズの場合
渡すものの考え方は変わらず、花束を贈ることに性別の決まりはありません。
ただし相手が花を持ち帰れる場面かどうかは確かめてください。仕事帰りで荷物が多い、そのあと人と会う予定がある、といった場合は大きな花束が負担になります。小ぶりの花束か、ケース入りのプリザーブドフラワーのほうが実用的です。
渡し方の段取り
当日いちばん失敗しやすいのは花選びではなく、受け取ってから渡すまでの時間の扱いです。
生花は思っているより早く傷みます。注文の時点で、受け取りの時間まで決めておいてください。
受け取りは渡す直前にする
受け取りはできるだけ渡す直前にし、朝に受け取って夜まで持ち歩く形は避けます。
持ち歩くあいだの扱いにも注意が要ります。車のトランクに入れると夏は数十分で傷むため、座席に立てて置き、エアコンの風が直接当たらないようにします。横にすると花が潰れます。時間が空くときは、店に取り置きを頼めば預かってもらえることが多いものです。
大きな花束は隠せない
百八本ほどの花束は隠せないため、渡す場所の側で預かってもらう段取りにします。
現実的な方法は三つあります。レストランやホテルに事前に預けて持ってきてもらう、同席者に頼む、あるいは自宅で渡す。自宅は地味に見えますが、隠す必要も持ち帰りの心配もなく、花にとっては最も条件の良い場所です。
写真は渡したあとに撮る
写真を残すなら、渡す瞬間よりも渡したあとのほうが落ち着いて撮ることができます。
花を持った状態の写真は後から残ります。撮影を誰かに頼むなら、タイミングを指定するより「渡し終わったら撮って」と伝えておくほうが確実です。雨の日は紙の包装が水を吸って崩れるため、傘の下に入れて運んでください。
渡したあとの花をどうするか
押し花やドライフラワーとして残せますが、枯れてからでは間に合わないため当日に決めます。
プロポーズの花束は捨てにくいものです。残す方法は押し花、ドライフラワー、専門店でのプリザーブドフラワー加工の三つがあります。
残すなら受け取った日に決める
残すつもりがあるなら、方法は受け取った日のうちに決めておく必要があります。
バラは花びらが厚く、そのまま押してもきれいになりません。花びらを一枚ずつ剥がして押すと仕上がります。ドライフラワーにするなら、逆さに吊るして風通しのよい日陰に置きます。バラとカスミソウは向いていますが、色は褪せます。専門店に出す加工は、生花のうちに、早いほど良い結果になります。
残さない場合の扱い
残さない場合も、まず包装を外して水に挿すと日持ちがはっきり変わります。
包装したままだと蒸れて一気に傷みます。茎を水の中で斜めに切り、水に浸かる部分の葉を落とし、水を毎日替える。この三つだけで、同じ花束が数日長くもちます。飾る場所は直射日光とエアコンの風を避けてください。
プロポーズの花束のよくある質問
Q. 花束だけでプロポーズしても大丈夫ですか。
A. 大丈夫です。指輪は後日ふたりで選ぶという順番のほうが、サイズや好みを外しません。花束と言葉だけで成立します。
Q. 十二本と百八本では、どちらがよいですか。
A. 意味は百八本が「結婚してください」、十二本が「付き合ってください」です。百八本は両手で抱える大きさになり、持ち帰りと飾る場所の問題が出るため、相手の暮らしに合うほうを選んでください。
Q. バラ以外の花でもいいですか。
A. かまいません。ただし本数に意味が付くのはバラだけです。バラ以外なら本数は予算と見栄えで決めて構いません。
Q. 何日前に注文すればいいですか。
A. 百八本のような大きな花束は一週間前までです。十二本程度なら数日前で間に合うことが多いのですが、色を指定するなら早いほうが確実です。
Q. 前日に受け取っても大丈夫ですか。
A. 生花はおすすめしません。包装を外して水に挿し、涼しい場所に置けば一日はもちますが、当日に受け取るのが最もきれいです。前日に用意しておきたい場合はプリザーブドフラワーが向いています。
Q. 黄色いバラを贈ってはいけませんか。
A. 禁止ではありません。ただし黄色いバラには友情と嫉妬の両方の意味があるため、プロポーズの場で主役にする理由は薄いでしょう。差し色として使う方法があります。
Q. 花束の値段はいくらくらいですか。
A. 本数でほぼ決まります。時期によっても変わるため、金額が決まっているなら「この予算で」と伝えるのが確実です。実売価格はシーンから探すではなく、注文先の花屋にご確認ください。
参考情報
- 一般社団法人 花の国日本協議会「はじめて花言葉辞典」(バラの本数別の意味・色別の花言葉)
- サントリーフラワーズ 青いバラ「アプローズ」(品種固有の花言葉の由来)
- 花しるべ 花言葉編集規程 v01(典拠あり/諸説あり/花しるべの提案の3区分)
