花占いのやり方|「好き・嫌い」の数え方と、本場との違い

花占いのやり方|「好き・嫌い」の数え方と、本場との違い

花占いとは、花びらを1枚ずつちぎりながら「好き」「嫌い」と交互に唱え、最後の1枚で言った言葉を答えとする占いです。やり方は4つの手順で済み、始める前に花びらを数えておけば「好き」で終わらせることもできます。日本の解説記事で紹介されているのは2つの言葉を交互に繰り返す形ですが、ヨーロッパの形とは違います。この記事では、やり方と数え方を整理したうえで、どこまで資料で確認できる話なのかを分けて扱います。

この記事でわかること

  • やり方は4つの手順: 花を選ぶ、唱える言葉と1枚目の言葉を決める、1枚ずつ外して唱える、最後の1枚の言葉を答えにする、の順です。
  • 「好き」で終わらせる数え方: 先に花びらを数え、偶数なら「嫌い」から、奇数なら「好き」から始めると、最後の1枚は「好き」になります。
  • 本場は2択ではない: フランス語版は「少し/とても/情熱的に/狂おしいほど/まったく違う」と続く多段階で、日本の「好き・嫌い」の2択とは形が違います。
  • 花びらの枚数は決まっていない: 本場で使われるフランスギクの舌状花は15〜40枚と幅があり、記録で遡れる最も古い例は1808年のゲーテ『ファウスト』です。
目次

花占いとは、花びらを1枚ずつちぎって数える占い

花占いは、花びらを1枚ずつちぎりながら2つの言葉を交互に唱え、最後の1枚の言葉を答えとする遊びです。

日本の解説記事で紹介されているのは、主に「好き」「嫌い」の2語を繰り返す形です。恋の相手が自分をどう思っているかを占うもので、道具は花が1輪あれば足ります。唱える言葉と順番さえ決めれば成立するので、一緒に遊ぶ人どうしで決めて構いません。解説記事では「花びら占い」とも呼ばれています。

なお、星座や誕生日から花を割り当てて性格や運勢を見るものも「花占い」と紹介されることがありますが、花びらをちぎる遊びとは仕組みがまったく違う別の占いです。この記事では花びらをちぎる花占いだけを扱います。生年月日から見る場合は花タイプ診断、日付ごとの花を調べる場合は誕生花のページが向いています。

花占いのやり方は4つの手順

花を1輪選び、唱える言葉と1枚目の言葉を決めて、花びらを1枚ずつ外しながら唱えるだけです。

手順 すること 気をつけること
1. 花を選ぶ 花びらが多く、1枚ずつ外しやすい花を1輪用意する 自分で育てた花か、買った花を使う
2. 言葉を決める 「好き・嫌い」など交互に唱える言葉と、1枚目に何と言うかを決める 1枚目の言葉で結果が入れ替わる
3. 1枚ずつ外す 外側の花びらを1枚ずつ外し、そのたびに言葉を1つ唱える 2枚まとめて取ったり、飛ばしたりしない
4. 答えを見る 最後の1枚を外したときに唱えた言葉を答えにする 中心の黄色い部分は数えない

手順の中で結果を左右するのは、2の「1枚目の言葉」と、花びらの枚数の2つだけです。3で花びらを外すときは、ぐるりと一方向に進むと数え間違いが起きにくくなります。途中で花びらが折れて2枚に分かれたように見えても、根元が1つなら1枚と数えます。

数え方は大きく3種類ある

唱える言葉によって、2語を繰り返す形、願いごとの成否を見る形、程度を段階で見る形の3つに分かれます。

解説記事で中心に紹介されているのが「好き・嫌い」の2語を交互に唱える形です。これとは別に、解説記事では言葉を「叶う・叶わない」に置き換えて願いごとの成否を占う形も紹介されています。3つめが、後で述べるフランス語版のように、気持ちの強さを何段階かに分けて唱える形です。

最初に唱える言葉で結果が変わる

2語を交互に唱える形では、1枚目に「好き」と言うか「嫌い」と言うかで結論が入れ替わります。

花びらが偶数枚なら、1枚目に唱えた言葉と最後の言葉は必ず違います。奇数枚なら同じになります。つまり2択の花占いでは、始める前に枚数と最初の言葉が決まった時点で、答えは機械的に確定しています。この性質は3つめの多段階の形には当てはまりません。段階の数と花びらの枚数の関係が、単純な偶数・奇数では決まらないためです。

「好き」で終わらせたいなら、先に花びらを数える

先に花びらの枚数を数え、偶数なら「嫌い」から、奇数なら「好き」から始めれば最後は「好き」です。

花びらの枚数 1枚目に唱える言葉 最後の1枚の言葉
偶数(例:8枚) 好き 嫌い
偶数(例:8枚) 嫌い 好き
奇数(例:21枚) 好き 好き
奇数(例:21枚) 嫌い 嫌い

2語を交互に唱えると、奇数番目の花びらには1枚目と同じ言葉、偶数番目には反対の言葉が当たります。最後の1枚が何番目になるかは枚数そのものなので、枚数が偶数なら最後は1枚目と反対の言葉、奇数なら同じ言葉です。数えるときは、外さずに指で1枚ずつ押さえながら一周すると、ちぎる前に枚数を確かめられます。

ただし、この方法は答えを先に決めてしまうので、占いとしての意外さはなくなります。誰かと一緒に遊ぶときに「好き」で終わらせて場を和ませる、といった使い方が向いています。

多段階の形は7で割った余りで決まる

フランス語の7つの言葉で唱える形は、偶数・奇数ではなく、枚数を7で割った余りで答えが決まります。

7つの言葉を順に繰り返すと、8枚目で1つめの言葉に戻ります。そのため、15枚なら余りが1で1つめの言葉、16枚なら余りが2で2つめの言葉、14枚のように割り切れる枚数なら7つめの言葉で終わります。偶数・奇数で決まるのは2語の形だけで、段階の数が変われば割る数も変わります。

花占いに使う花は、花びらの多いキク科が向く

花占いに向くのは、細い花びらが中心を囲むキク科の花で、本場ではフランスギクが使われてきました。

花 花びら(舌状花)の枚数 花占いでの扱い
フランスギク 15〜40枚と幅がある ヨーロッパで使われてきた花。英語では ox-eye daisy
コスモス 通常8枚 枚数が少なく短く終わる。8枚なら「嫌い」から始めると「好き」で終わる
マーガレット 花ごとに数えて確かめる 日本の解説記事で花占いの花として挙げられる。本場の花とは別属
デイジー 花ごとに数えて確かめる 本場のフランスギクと似た白い花。数えてから始める
ガーベラ 花ごとに数えて確かめる 八重咲きは花びらが重なって数えにくいので、一重咲きを選ぶ

コスモスの舌状花は通常8個とされていて、偶数で終わる花の代表です。ただし8枚でない花が混じることもあるので、「好き」で終わらせたいときも一度数えてから始めるのが確実です。マーガレット・デイジー・ガーベラは、1つの数字で示せる資料を確認できなかったため、この記事では枚数を書いていません。

フランス語の marguerite が指すのは Leucanthemum vulgare、和名フランスギクです。英語では ox-eye daisy と呼ばれ、ヨーロッパと温帯アジアに自生しています。花占いに使う花として挙げられているのはこの花です。花の名前や誕生日から花を探すときは、花しるべのトップページから目的に合う入口を選べます。

日本の「マーガレット」は明治末に来た別の花

日本のマーガレットはモクシュンギクという別属の園芸植物で、渡来は明治時代の末期です。

学名は Argyranthemum frutescens、和名をモクシュンギク(木春菊)といいます。原産地はカナリア諸島で、ヨーロッパへ渡ったのが17世紀末、日本に伝わったのは明治時代の末期、広く栽培されるようになったのは大正時代からです。フランスギクやシャスターデージーと見た目が似ているため、しばしば混同されます。

つまり、日本で「花占いといえばマーガレット」と言うとき、その花は本場で使われてきた花とは違います。そして日本にその花が入ってきたのは、『ファウスト』の刊行から100年近く後のことです。日本の花占いがいつ、どの花で始まったのかは、この記事の時点では確認できていません。

摘んでよい花を使う

花占いには、自分で育てた花か買った花を使い、公園や他人の庭の花は摘まないようにします。

公園の花壇や街路の植え込み、よその家の庭の花は、管理している人のものです。野原に咲いている花でも、場所によっては採ることが禁じられています。花屋で1輪買うか、鉢植えで育てた花を使えば迷うことはありません。ちぎった花びらは、そのまま押し花にしたり、水に浮かべたりして楽しむこともできます。

本場のフランス語版は2択ではない

フランス語の花占いは「まったく違う」まで7段階あり、好きか嫌いかの2択ではありません。

フランス語では花占いを effeuiller la marguerite(マーガレットの花びらをむしる)と言います。唱える言葉は「私を愛している、少し、とても、情熱的に、狂おしいほど、何よりも、まったく違う」と続き、最後の1枚で止まった段階が答えになります。日本の「好き・嫌い」と比べると、間の段階を持つ点が違います。

英語では「He loves me, he loves me not」

英語圏では He loves me, he loves me not と唱えます。これは日本と同じ2択の形です。

英語版は「愛している/愛していない」の2語を繰り返す形で、フランス語の多段階ではありません。フランス語版と英語版のどちらが先に成立したのかを示す資料は、確認できていません。日本の「好き・嫌い」がフランス語版から直接来たのか、英語版を経由したのかは、資料で確認できていません。

花占いはいつからあるのか

文献で確認できる最も古い例は、1808年に刊行されたゲーテ『ファウスト』第1部の場面です。

『ファウスト』第1部で、グレートヒェンが花びらをちぎって占う場面が描かれています。これが現在たどれるいちばん古い記録です。それ以前にいつ誰が始めたのかは分かっていません。

「フランス発祥」と断定していない理由

花占いをフランス起源とする説明は多く見かけますが、その根拠となる資料を確認できていません。英語版ウィキペディアも「フランス起源」の記述に出典が必要な旨の注記を付けています。フランス語の呼び名が残っていることと、フランスで始まったことは別の話です。花しるべでは、資料で年代を確認できるものだけを年代として書きます。

19世紀の作品にくり返し出てくる

19世紀には、バレエや小説の中に花占いの場面がくり返し登場するようになります。

1841年にパリで初演されたバレエ『ジゼル』では、第1幕で花占いがパントマイムとして演じられます。1877年のトルストイ『アンナ・カレーニナ』第6部では、キティとレーヴィンがこの遊びをします。1820年の絵画『花の決断』のように、絵画の題材にもなっています。19世紀のヨーロッパの作品にくり返し描かれていたことは、これらから確認できます。

花びらの枚数は決まっていない

フランスギクの舌状花は1つの頭花あたり15〜40枚で、同じ種でも枚数に幅があります。

「花びらの枚数は花の種類ごとに決まっている」「フィボナッチ数列に従うのでマーガレットは21枚」といった説明を見かけることがあります。しかし植物学の記載では、フランスギクの舌状花は15枚から40枚の範囲とされていて、1つの数字に定まっていません。15〜40枚という幅は、同じ種の中でも花によって枚数が違うことを示しています。

この幅があるおかげで、花占いは占いとして成立しています。枚数が本当に固定されているなら、種類を見た時点で答えが分かってしまい、ちぎる意味がなくなります。コスモスのように通常の枚数が知られている花でも、例外の花が混じるので、数えるまで答えは分かりません。

キク科の「花びら」は1枚ずつが花

キク科の花びらに見える部分は舌状花と呼ばれる小さな花で、1枚が1輪にあたります。

マーガレットやデイジーのような形の花は、中心の黄色い部分に筒状花が密集し、その周囲を舌状花が囲む構造をしています。花占いでちぎっているのは花びらではなく、1輪ずつの花です。枚数が個体によって違うのは、花びらの分かれ方ではなく、花の数そのものが違うためです。

花占いのよくある質問

Q. 花占いは何の花でやるのが正しいですか。

A. 決まりはありません。ヨーロッパではフランスギク、日本の解説記事ではマーガレットやデイジーが挙げられていますが、どちらが正しいというものではありません。舌状花が多く、1枚ずつ外しやすい形であれば成立します。庭や花壇の花を使う場合は、摘んでよい花かどうかだけ確かめてください。

Q. 最後が「嫌い」で終わったらどうすればいいですか。

A. 2択の形では、最初に唱える言葉を入れ替えれば結果は反対になります。花びらの枚数が偶数か奇数かで答えが決まる仕組みなので、やり直しても同じ花なら同じ結果になります。結果を変えたい場合は、別の花で数えるか、多段階の唱え方に変えると、フランス語版に近い遊び方になります。

Q. 花占いは当たりますか。

A. 当たるかどうかを確かめた資料はありません。2択の形では、花びらの枚数と1枚目の言葉で答えが決まる仕組みなので、相手の気持ちとは関係なく結果が出ます。答えを知るためというより、迷っている気持ちを整理するきっかけとして楽しむ遊びと考えるのが合っています。

Q. 花占いを英語で何と言いますか。

A. He loves me, he loves me not と言います。占う相手が女性の場合は She loves me, she loves me not になります。名詞として言い表す場合はフランス語の effeuiller la marguerite がそのまま使われることもあります。

Q. 同じ名前の曲がありますが関係はありますか。

A. 2021年に発表された同名の楽曲があり、ここで扱っている花占いとは別のものです。この記事では花の遊びとしての花占いだけを扱っています。

Q. 生年月日から花で占うものとは違うのですか。

A. 別のものです。この記事の花占いは花びらをちぎる遊びで、生年月日から花を割り当てるものは誕生花にもとづく占いです。生年月日から見る場合は花タイプ診断、日付ごとの花を調べる場合は誕生花をご覧ください。

花占いに使う花を実際に選ぶなら、花の名前から意味をたどると選びやすくなります。同じ白い花でも、込められた意味は花ごとに違います。

花の名前から花言葉を調べる

参考情報

  • Wikipédia(フランス語版)「Effeuiller la marguerite」唱える言葉の並び、バレエ『ジゼル』での上演(2026-10-11 確認)
  • Wikipedia(英語版)「He loves me… he loves me not」英語の言い回し、使用される花、『ファウスト』第1部(1808年)・『ジゼル』(1841年)・『アンナ・カレーニナ』(1877年)での登場(2026-10-11 確認)
  • Wikipedia(英語版)「Leucanthemum vulgare」舌状花15〜40枚、分布(2026-08-29 確認)
  • ウィキペディア(日本語版)「マーガレット (植物)」学名・和名・原産地・渡来時期、フランスギクとの混同(2026-08-29 確認)
  • ウィキペディア(日本語版)「コスモス」舌状花は通常8個(出典:堀田満ほか編『世界有用植物事典』平凡社、1989年、p.321)(2026-10-11 確認)
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