胡蝶蘭の選び方|法人祝いの相場とマナー

胡蝶蘭の選び方|法人祝いの相場とマナー

法人の祝い花で胡蝶蘭が選ばれるのは、花が1か月以上もち、香りと花粉がほとんど無く、置いたまま手をかけずに済むからです。ただし注文画面に並ぶのは「3本立ち」「36輪以上」といった見慣れない単位で、同じ3本立ちが12,650円と33,000円で売られています。このページでは、値段が何で決まっているのか、場面ごとにいくら出せばよいのか、置き場所と届ける日をどう確認するのかを、実際の販売価格から順に見ていきます。

この記事でわかること

  • 値段は本数ではなく輪数で決まる: 同じ「白大輪3本立ち」が27輪で12,650円、54輪で33,000円。予算は輪数で刻みます。
  • 取引先へは2〜3万円の3本立ちが基準: 社長就任と本社移転だけが一段上で、3〜5万円の5本立ちに上がります。
  • 先に決めるのは花ではなく置き場所: 大輪3本立ちで高さ70〜90cm・幅50cm。受付に置けるかを相手に聞いてから注文します。

結論:取引先へ贈るなら白の大輪3本立ち、2〜3万円

法人の祝い花で迷ったときは、白い大輪の3本立ちを2〜3万円で選べば外しません。

色は白、花の大きさは大輪、本数は3本立ち。これが法人ギフトの既定で、開店祝いから就任祝いまでこの形が使われます。ここから上げる必要があるのは、社長就任と本社の移転・開設のときだけです。逆に、置き場所が狭いと分かっている相手には、金額を下げるのではなくミディに落とすほうが喜ばれます。

色は白。ほかを選ぶのは相手を知っているときだけ

白は業種と規模を問わず使える色で、法人向けで白以外を選ぶ理由はほとんどありません。

白赤リップは新規開店の華やかさを出したいとき、ピンクは関係が近いときに使われます。ただしどちらも「相手の好みを知っている」ことが前提で、面識の薄い取引先へ贈るなら白が安全です。企業のブランドカラーに合わせた色を選ぶ場合も、先方の担当者に確認できる関係でなければやめておきます。

本数は関係の深さではなく、置き場所の広さで決める

3本立ちは支店や小規模な事務所、5本立ちは本社の受付や入口に置く花です。

金額の格を上げたくて5本立ちを選んでも、受付が狭ければ相手は置き場所に困ります。幅は3本立ちで50cm前後、5本立ちで60cm前後あり、カウンターの上には載りません。相手の拠点の規模が分からないときは3本立ちにしておくと、断られる形にはなりません。

値段は本数ではなく輪数で決まる

胡蝶蘭の価格は、立っている茎の本数ではなく、咲いている花の数で決まります。

同じ「白大輪3本立ち」でも、27輪と54輪では倍以上ひらきます。専門店の商品一覧を輪数の順に並べると、値段が輪数にそのまま連動しているのが分かります。2026年8月30日時点の胡蝶蘭ベストフラワーの税込表示価格です。

商品(白大輪) 輪数 税込価格
3本立ち 27輪以上 12,650円
3本立ち 36輪以上 18,150円
3本立ち 42輪以上 22,000円
3本立ち 54輪以上 33,000円
5本立ち 50輪以上 33,000円
5本立ち 60輪以上 39,050円
5本立ち 80輪以上 55,000円

表の下から3行目に注目してください。3本立ち54輪と5本立ち50輪が、どちらも33,000円で並んでいます。同じ予算なら、本数を増やすか1本あたりの花を詰めるかを選べるということです。

3本立ちは12,650円から33,000円まである

3本立ちは輪数によって12,650円から33,000円まで幅があり、相場を一つの数字で言えません。

「3本立ちは3万円から」と書いている案内もありますが、これは輪数の多い上位の商品を指しています。日比谷花壇は3本立ちの通常品を36輪以上・30,000円程度、プレミアムを42輪以上・40,000円からとしており、専門店の価格とは倍近い開きがあります。同じ本数でも店ごとに含まれる輪数が違うので、比べるときは本数ではなく輪数を見てください。

5本立ちは33,000円から。10万円台は10本立ちの世界

5本立ちは45〜50輪の33,000円から始まり、70輪を超えると55,000円前後になります。

日比谷花壇の目安でも5本立ちは50,000円からで、5本を超えると100,000円からです。10本立ちプレミアム120輪以上で120,000円という価格帯もありますが、これは受付に置ける大きさを超えます。取引先への祝い花として現実に使われるのは、3本立ちと5本立ちの範囲です。

胡蝶蘭は送料が別に立ちにくい

胡蝶蘭の専門店は送料込みで表示している店が多く、支払総額が花代とほぼ一致します。

スタンド花は配送料と回収料が別に立つ店があり、花代だけで予算を組むと最後にずれます。胡蝶蘭は鉢のまま宅配便で届き、台の回収もありません。立札とメッセージカードも無料としている店が多いので、表示価格をそのまま予算として扱えます。スタンド花の値段と大きさと比べる場合は、この差を入れて並べてください。

場面ごとの相場

取引先へ贈る金額は、開店祝いで1〜3万円、社長就任と移転で3〜5万円が目安です。

相手が誰かではなく、何のお祝いかで帯が決まります。日比谷花壇が公開しているシーン別の相場を、取引先へ贈る場合に絞って並べます。

場面 取引先へ贈る金額 本数の目安
開業・開店祝い 10,000〜30,000円 3本立ち
支店・事務所の開設 15,000〜30,000円 3本立ち(本社なら5本立ち)
昇進祝い 3,000〜10,000円 ミディ〜3本立ち
社長就任祝い 20,000〜50,000円 5本立ち
移転祝い 30,000〜50,000円 5本立ち

昇進祝いだけが一桁小さく、社長就任と並べると10倍近い差になります。同じ「人が役職に就く祝い」でも、社内の昇進と代表者の就任は別のものとして扱われています。

開店・開業祝いは前日か当日の午前に届ける

開店祝いの花は、開店の前日、遅くとも営業開始までに設置できるよう手配します。

店の顔として来店客に見えることが目的なので、開店してから届くと役目を果たしません。ただし内装工事が続いていることもあるため、前日に届けてよいかは先に聞いてください。当日配送になる場合は午前中着を指定します。相手の店へ直接贈るなら、届けてよいかを一言確認しておくほうが安全です。

就任祝いは発表があってから贈る

就任祝いは、人事の発表が公になってから、就任日以降に届くよう手配します。

株主総会や取締役会で正式に決まる前に花が届くと、まだ公表されていない人事を外部が知っていることになります。内定の段階で贈るものではありません。届け先は本人の執務室ではなく会社の受付宛てにし、立札の宛名で誰への花かを示します。書き方は立て札の書き方にまとめています。

移転・開設は荷物が片づいてから

移転祝いは、引っ越し当日を避けて、新しい事務所で営業が始まってから届けます。

搬入作業の最中に大きな鉢が届くと、置き場所が無く廊下に出されることになります。開設祝いの目安も「開設日当日または開設後数日以内」で、遅れても1か月以内であれば問題ないとされています。日付を押さえるより、受け取れる時間帯を先に確認するほうが確実です。

大きさと置き場所

大輪の3本立ちで高さ70〜90cm、幅50cm前後あり、カウンターには載りません。

胡蝶蘭は床置きの花です。注文の前に、相手の受付や応接室のどこに置くのかを想像できるかどうかを確かめてください。大きさと価格の対応はおおむね次のようになります。

種類 花の直径 高さ・幅 価格の目安
大輪 5本立ち(50〜55輪) 12〜14cm 高さ90〜100cm・幅60cm前後 3万〜6万円
大輪 3本立ち(30〜33輪) 12〜14cm 高さ70〜90cm・幅50cm前後 1万〜3万円
中輪 3本立ち(30〜33輪) 7〜8cm 高さ60〜80cm・幅50cm前後 1万〜2万円
ミディ 3本立ち(24〜27輪) 5〜6cm 高さ50〜70cm・幅50cm前後 8,000〜1.5万円
ミニ 1本立ち(5〜6輪) 2〜4cm 高さ30cm前後・幅20cm前後 3,000〜5,000円

大輪とミディを分けているのは花の直径で、株の大きさはその結果です。値段の差も、輪数と花の大きさの掛け算でほぼ説明が付きます。

置けない相手にはミディを選ぶ

美容室や飲食店のように間口の狭い店へは、高さ50〜70cmのミディが収まります。

大輪を贈って通路に置かれるより、ミディをカウンターの端に飾ってもらうほうが相手に残ります。ミディの3本立ちは8,000円から1.5万円で、金額としては開業祝いの下限に収まる帯です。相手の店を見たことがあるなら、金額より置ける大きさを先に決めてください。

手入れは10日に1回の水やりだけ

胡蝶蘭は10日に1回ほど水を与えるだけで、1か月以上花が咲き続けます。

花がすべて枯れるまでにはおよそ3か月かかります。香りがほとんど無く、花粉も落ちないため、応接室や受付に置いても実務の邪魔になりません。相手に手間をかけさせない花であることが、法人の祝い花で選ばれ続けている実質的な理由です。

贈る前に確認すること

注文の前に確認するのは、受け取れる日時、置き場所の広さ、立札の社名の3つです。

胡蝶蘭で起きる失敗は、花の選び方ではなくこの3つの確認漏れに集中しています。どれも花が届いてからでは直せません。

確認する順番は、①相手が受け取れる日と時間 ②置く場所の広さ ③立札に書く社名と頭書き、の3つです。

贈る場面から花を選ぶ

4本立ちと9本立ちは選ばない

本数は3本・5本・7本の奇数で選び、4本立ちと9本立ちは避けるのが慣習です。

4と9が死や苦を連想させるという理由で、祝い花では使われません。店側も4本立ちをほとんど作っていないため実際に迷う場面は少ないのですが、輪数を指定するときに40輪や49輪を選ばないという形では出てきます。細かい話ですが、避けるのに費用はかかりません。

立札は花よりも先に決める

立札に書く社名と頭書きは、花や予算を決めるより先に確定させておくべき情報です。

注文の最後に入力欄が出てくるため後回しにされがちですが、(株)などの略字や前株・後株の取り違えは、社名そのものを間違えたことになります。頭書きも、移転なのに「祝 御開店」と書けば、相手の状況を把握していないことがそのまま伝わります。文例とNG例は開業・就任・移転の立て札の書き方にまとめました。

お見舞いには鉢植えを贈らない

入院見舞いでは、鉢植えは「根付く=寝付く」を連想させるとして避けられます。

胡蝶蘭は鉢植えなので、この慣習にそのまま当たります。病院によっては生花の持ち込み自体を断っているため、退院祝いや快気祝いに切り替えるほうが確実です。開業した医院へ贈る開院祝いは別で、こちらは通常どおり胡蝶蘭が使われます。

胡蝶蘭とスタンド花のどちらを贈るか

受付に長く置いてもらうなら胡蝶蘭、店先で来店客に見せるならスタンド花です。

開店祝いはどちらも使われますが、役割が違います。スタンド花は開店の数日間だけ店先に立てて撤去する花で、高さは170〜220cmと人の背丈を超えます。胡蝶蘭はその後1か月以上、社内に置かれ続けます。どちらか一方で足りるので、置き場所と見せたい相手で決めてください。

贈る相手と場面が決まったら、次は形です。開店祝い、就任祝い、移転祝いでは、同じ予算でも選ぶ花と届ける日が変わります。

贈る場面から花を選ぶ

胡蝶蘭のよくある質問

Q. 開店祝いの胡蝶蘭はいくらが妥当ですか。

A. 取引先へ贈るなら10,000〜30,000円です。迷ったときは2万円前後の3本立ちを選べば、安すぎても仰々しすぎてもなりません。相手が本社や主要拠点であれば3万円前後まで上げます。

Q. 3本立ちと5本立ちはどちらを選べばいいですか。

A. 置く場所で決めてください。支店や小規模な事務所なら3本立ち、本社の受付や入口に置くなら5本立ちです。幅が50cmと60cmで違うため、狭い場所に5本立ちを贈ると置き場所に困らせます。

Q. 同じ3本立ちなのに値段が倍違うのはなぜですか。

A. 輪数が違うからです。白大輪の3本立ちでも、27輪は12,650円、54輪は33,000円で売られています。本数ではなく輪数を見て比べてください。

Q. 白以外の色を贈っても失礼になりませんか。

A. なりません。ただし白赤リップやピンクは、相手の好みや社風が分かっている場合に限ります。面識の薄い取引先や、業種が分からない相手には白を選んでください。

Q. 立札とメッセージカードは有料ですか。

A. 多くの専門店で無料です。送料も込みで表示している店が多いため、表示価格をそのまま予算として扱えます。有料の場合は注文画面に明記されています。

Q. 就任祝いを贈りそびれました。今からでも贈れますか。

A. 贈れます。開設祝いでは1か月以内であれば問題ないとされており、就任祝いも同様です。遅れたことを詫びる文章は立札には書かず、必要ならメッセージカードに添えます。

参考情報

  • 胡蝶蘭ベストフラワー(白大輪3本立ち27輪12,650円〜54輪33,000円、5本立ち50輪33,000円〜80輪55,000円。2026年8月30日時点の税込表示価格。価格は変動します)
  • 日比谷花壇「法人向けの胡蝶蘭の金額相場」(開業・開店祝い取引先10,000〜30,000円、社長就任20,000〜50,000円、移転30,000〜50,000円、昇進3,000〜10,000円、本数別20,000円〜/30,000円〜/50,000円〜、輪数別のグレード)
  • 花秘書「開設祝いの胡蝶蘭|相場・選び方・立札マナー」(15,000〜30,000円、3本立ちと5本立ちの使い分け、開設日当日〜数日以内・遅れても1か月以内、白/白赤リップ/ピンクの選び分け)
  • AND PLANTS「お祝いに適した胡蝶蘭」「胡蝶蘭の種類」(花持ち1か月・すべて枯れるまで3か月、水やり10日に1回、奇数が吉で4本立ち・9本立ちを避ける、大輪/中輪/ミディ/ミニの直径・高さ・幅・価格)
  • 金額の相場は店ごとの目安であり、公的に定められた基準ではありません。輪数の表記(36輪以上など)も店ごとに数え方が異なる場合があります